スムーズな最初の一歩のために
日常生活で文書を作成する機会は多く、学生であればレポートや小論文など、社会人であれば企画書や会議録など、さまざまなシーンで必要になってきます。どのようにすればクオリティの高い文書を効率的に書けるのでしょうか。まずは最初の一歩を踏み出すための方法をご紹介します。
※ Google ドキュメントがインストールされていない場合、Google Play ストアから無料でダウンロードできます。
テンプレートでスタートダッシュ
Google ドキュメントには使いやすいテンプレートがいくつも用意されています。まずはテンプレートを選ぶことから始めると、簡単にスタートすることができるでしょう。
テンプレートの良い点は、目的の文書に必要なテーマや項目がすでにレイアウトされていること。それに合わせて書き進めていけば、自然と形になっていきます。Google ドキュメントのテンプレートは、おおまかに 4 つのカテゴリーに分かれています。
- 履歴書: 履歴書
- 手紙: レター、ビジネスレター
- 教育: 小論文、レポート、クラス通信、授業プラン
- 仕事: プロジェクト提案書、会議メモ、新入社員向け文書、パンフレット、ニュースレター
この中から、作成する文書に合うテンプレートを選択するとよいでしょう。特に履歴書やプロジェクト提案書などは、形式があるタイプの文書ですので、テンプレートを下敷きに進めるやり方が合っています。
また、目的に合うテンプレートがなくても、応用が利く場合もあります。たとえば、旅のしおりを作成するのであれば、授業プランのテンプレートを下敷きにするのもよいでしょう。画像が豊富なレポートを作成するのであれば、パンフレットのテンプレートも参考になるかもしれません。
【テンプレートの使用方法】
- Google ドキュメント アプリを起動
- 右下の作成アイコン(+)をタップ(左下の図)
- [テンプレートを選択] をタップ(右下の図)
- テンプレートを選んでタップ
アイデアを思いつくままに書き留めよう
テンプレートとは異なり、あまり形にこだわらず、アイデアを思いつくままに書き留めていく方法もあります。まずは「新規ドキュメント」を作成し、少しずつ書きためていき、後で整理しながら形を整えていくと、内容の濃い文書になるでしょう。
スマホの良い点は、時間も場所も選ばないところ。スキマ時間を活用することはもちろん、思いついた瞬間にすぐにメモを取ることもできます。「良いアイデアは、机の前では生まれない」とは、よく聞く話ですね。散歩をしているとき、お風呂に入っているときなど、意外な場所で意外なアイデアが生まれることもあります。スマホならではの Google ドキュメントの使い方を試してみてください。
【新規ドキュメントの作成方法】
- Google ドキュメント アプリを起動
- 右下の作成アイコン(+)をタップ(左下の図)
- [新規ドキュメント] をタップ(右下の図)
いつものキーボードにプラスアルファ
文字入力に必要なキーボードですが、Google ドキュメントで使うものは、SNS やメッセージなどのアプリのものとは一味違います。それは最上段にプラスされた文字メニュー。文字のデザインやインデントなどの機能がすぐに使えて、とても便利です。
いずれの機能も、文字の入力前に選択することも、入力後に範囲指定で選択することもできます。長めの文書では、文字にメリハリをつけることはとても大切ですので、積極的に活用しましょう。
- 左下の図は、Google ドキュメントで表示されるキーボード
- 右下の図は、メールや SNS などのアプリで表示されるキーボード
文字メニューの機能は左から順に以下のようになっています。
- [B] : 太字
- [I ] : 斜体 Shatai
- [U] : アンダーバー
- [A] : 文字色
- ペンマーク: マーカー
- 文字揃え: 左揃え、中央揃え、右揃え、両端揃え
- 箇条書き: チェックリスト、箇条書き、番号付きリスト、リストの左揃え、リストの右揃え
音声入力ならとても簡単!
文字入力の方法は、キーボードだけではありません。多くの Android スマホでキーボードとして初期設定されている Gboard には「音声入力」という、とても便利な機能があります。スマホに向かって話しかけると、ほぼ音声どおりに文字が入力されていき、「句点(。)」「読点(、)」も声に出せば入力できます。スマホ片手に、気軽に始められますね。
【音声入力の方法】
- キーボードの右上にあるマイクアイコンをタップ
- スマホに向かって話しかけてください
また会議内容の文字起こしには、「レコーダー」など Android スマホの文字起こしアプリを使うとよいでしょう。会議内容をスマホひとつで録音でき、音声再生だけでなく文字起こしもしてくれます。そこからコピーして Google ドキュメントに貼り付ければ、スマホだけでスピーディに議事録が完成します。
※「レコーダー」は、Google Pixel 3 以降の Google Pixel にインストールできます。
レコーダーアプリの文字起こし機能についてはこちらもチェック。Android の便利な使い方を Android ユーザーが動画で紹介。
オフラインでも使えるから安心!
通信環境があまり良くない場所で使う場合には、[オフラインで使用可] を選択しましょう。ネットに接続していなくても作業を進めることができるので安心です。
なお、オフラインで使用する場合、スマホにファイルを保存するため空き容量を減らすことや、オンラインになるまで、オフラインで編集した内容をオンライン上に保存できなかったり、他のユーザーの編集が反映されなかったりすることに、ご注意ください。
【オフラインの使用方法】
- Google ドキュメントの画面右上にあるその他アイコン(︙)をタップ
- [オフラインで使用可] をタップしてオンに変更
もっと見栄えの良い文書にするために
ここまでは基本的な操作方法を解説しましたが、もっと文章を美しく整えるための機能もご紹介します。ちょっとした工夫をするだけで、より完成度の高い文書へと変わりますので、ぜひお試しください。
間違えた文章は正しい表現を教えてくれる
長い文章を書いていると、入力ミスをしたり、誤った表現をしたり、いろいろと間違えることもありますよね。なかなか自分で気づくのは難しいのですが、そんな箇所はひとつひとつ Google ドキュメントが指摘してくれます。
赤い下線が現れたら、それが間違った表現である可能性があります。その文字をタップすると正しい表現の候補が出てくるので、それをタップするだけで正しい文章に変わります。
【間違った文章の修正方法】
- Google ドキュメントの作成中に、文字に赤い下線が現れたら、その文字をタップ(左下の図)
- 正しい表現をタップ(右下の図)
文字のカウントや置換で文章を整える
文書内の文字数のカウントや、文字の検索や置換が可能です。文章を整えたり練り直したりするときに、かなり役立つのではないでしょうか。
【文字カウントの方法】
- Google ドキュメントの画面右上にあるその他アイコン(︙)をタップ
- [文字カウント] をタップ
【検索の方法】
- Google ドキュメントの画面右上にあるその他アイコン(︙)をタップ
- [検索と置換] を選択
- 検索する文字を入力してキーボードの検索アイコンをタップ
【置換の方法】
- 【検索の方法】の 1~3 までを行う
- 右上のその他アイコン(︙)をタップ
- [置換] または [すべて置換] をタップ
- 画面下部に置換する文字を入力し、[置換] または [すべて置換] をタップ
画像の挿入や表の作成もできる
文書を作成する際には、画像や表などを挿入したい場合もあるでしょう。Google ドキュメントでは、スマホ上でも簡単に画像や表の挿入ができます。
【画像の挿入方法】
- Google ドキュメントの画面上部にある挿入アイコン(+)をタップ
- [画像] を選択
- [写真から]、[カメラから]、[ウェブから] の中から選択
- 挿入したい画像をタップ
【表の作成方法】
- Google ドキュメントの画面上部にある挿入アイコン(+)をタップ
- [表] をタップ
- 作成したい表の列と行の数を選択
- [表を挿入] をタップ
ページ番号や脚注も付けられる
レポートや論文、その他一部の文書では、ページ番号や参考文献、欄外での説明のための脚注が必要になるシーンもあるでしょう。その挿入方法を簡単にご説明します。
【ページ番号の挿入方法】
- Google ドキュメントの画面上部にある挿入アイコン(+)をタップ
- メニューの下部にある [ページ番号] をタップ
- ページ番号の位置を選択
【脚注の挿入方法】
- Google ドキュメントの脚注をつけたい箇所をタップ
- 画面上部にある挿入アイコン(+)をタップ
- メニューの下部にある [脚注] をタップ
- ページの最下部に脚注が表示されるので、そこに内容を入力
思考に集中できる応用ティップス
これまでにご紹介した機能を使えば、たいていの文書の作成は問題なく進められると思います。それでも、考えがまとまらなかったり、気乗りがしなかったり…。ここでは、そんな作業を少しでも気楽に進めるために、役に立つ機能をご紹介します。
外国語に翻訳して入力できる
英語やフランス語などの外国語で文章を書かなければならないときは、キーボードアプリの Gboard が強い味方です。日本語を入力するとリアルタイムに翻訳され、そのまま Google ドキュメントに入力されていきます。100 以上の言語に対応しているので、表現の幅がぐっと広がりますね。
【翻訳入力の方法】
- Google ドキュメントのキーボードの最上段にある翻訳アイコンをタップ(左下の図)、もし翻訳アイコンがなければその他アイコン(・・・)をタップして下部に表示された翻訳アイコンをタップ(右下の図)
- [原文の言語] が [言語を検出] か [日本語] であることを確認(左下の図)
- [訳文の言語] が [英語] であることを確認(左下の図)、それ以外の訳文を希望する場合は [英語] をタップし言語を選択
- [訳文の言語] を選択(右下の図)
- 日本語を入力するとリアルタイムで翻訳されます
概要機能を使うと全体を見渡しながら書ける
Google ドキュメントには、ドキュメントの概要を表示する機能があります。先に書く項目を箇条書きにして、それぞれを見出しに設定すれば、ドキュメントの概要として表示されます。もちろん、見出しに指定した後も修正は可能です。
また、特に見出しの設定をしなくても、大きな文字や太い文字は自動的に概要として表示されます。しかし、きちんと階層化された概要を作成したい場合は、下記のステップで設定してください。
【概要の作り方】
- Google ドキュメント アプリを起動
- 概要を作りたいファイルをタップ
- 見出しにしたい文字列を選択(左下の図)
- 画面上部にある書式設定アイコン(A)をタップ(左下の図)
- 画面下部にメニューが表示されるので、[スタイル] をタップ
- [タイトル]、[サブタイトル]、[見出し 1]、[見出し 2]、[見出し 3] などを選択して指定(右下の図)
なお、テンプレートを使用した文書は、あらかじめスタイルが設定されているので、簡単に概要を確認することができて便利です。
【概要の表示方法】
- Google ドキュメントの画面右上にあるその他アイコン(︙)をタップ
- [ドキュメントの概要] をタップ(左下の図)
- ドキュメントの概要が表示されます(右下の図)
概要を表示することで文書全体を俯瞰することができ、より高い視点を持つことができたり、全体構成を見直すこともできるでしょう。もちろん概要をタップすれば、該当箇所にジャンプしますので、いろいろと活用できそうですね。
パソコンと同期して作業する
Google の各種サービスを使う際の大きな強みのひとつに、さまざまなデバイスで情報を共有できる点があります。Google ドキュメントもしかり。スマホで作成した文書をパソコンと同期させ、大きな画面上で確認して微調整することもできます。スマホとパソコンとでは画面の大きさが違うため、画像のサイズや文字の折り返しのタイミングなどが異なってきます。目的に合わせて、双方を同時に確認しながら調整することも可能です。
時間を大切にできる効率的な文書作成
Google ドキュメントでの文書作成の方法について、基礎的なことを中心に紹介してきました。Android スマホのアプリを使えば、忙しい日々の合間に移動時間や待ち時間を生かして作業をしたり、あるいはパソコンの前に長く座り続けた後に外出してリフレッシュしながら作業をしたり、快適な環境で取り組めるのが大きなメリットです。重いパソコンを持ち歩かなくても、スマホひとつでさまざまな作業ができ、タイム パフォーマンスを高めることができるでしょう。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事で紹介した内容は、執筆時(2022年8月)のものです。
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