スマホのデータ保存場所である eMMC や UFS とは? 内部ストレージの規格の違いで変わること
スマホのデータ保存場所である eMMC や UFS とは? 内部ストレージの規格の違いで変わること

スマホのデータ保存場所である eMMC や UFS とは? 内部ストレージの規格の違いで変わること

2023.05.12

スマホのデータ保存場所である eMMC や UFS とは? 内部ストレージの規格の違いで変わること

スマホのデータ保存場所にあたる内部ストレージにはいくつかの規格があり、新機種が登場するにつれて容量が増えたり、規格が変わったりすることがあります。主なストレージ規格には eMMC や UFS などがあり、一部機種ではスペック表などで確認が可能です。本記事では、スマホに搭載されているストレージの規格が違うと何が変わるのか、保存容量が足りないと感じたときの対処方法などについて解説します。

スマホのデータを保存する内部ストレージの規格「eMMC」とは

eMMC(embedded Multi Media Card)とはストレージの規格の一つで、フラッシュメモリを利用した記憶装置のことです。フラッシュメモリは、電源を切ってもデータが失われないメモリで、SD カードなどにも使われています。ただし、eMMC は基板に直接取り付けられており、SD カードのように取り外しはできません。

また、eMMC は小型で消費電力が小さいため、スマホの内部ストレージとして搭載されています。スマホ以外にもデジタルカメラや音楽プレーヤーなど、多くのデバイスに利用されているストレージです。

スマホのデータを保存する内部ストレージの規格「eMMC」とは

近年のスマホに搭載されている内部ストレージの規格「UFS」

近年のスマホの内部ストレージは、eMMC ではなく UFS という規格が主流となってきました。UFS とは「Universal Flash Storage」の略称で、eMMC と同様にフラッシュメモリを利用した小型の記憶装置です。

UFS は eMMC とほぼ同様の消費電力で高速なデータ転送速度を実現できるため、以前からハイエンド スマホの内部ストレージとして使われることが多く、近年のスマホではほとんどの機種で使用されています。

なお、Google が提供するスマホの Google Pixel 7 シリーズや 6 シリーズなどは、UFS の中でも高速な「UFS 3.1」が搭載されています。

近年のスマホに搭載されている内部ストレージの規格「UFS」

eMMC と UFS は何が違うのか

前述したとおり、スマホの内部ストレージの主な規格には eMMC と UFS の 2 つがあります。ここでは、両者の違いについて具体的に紹介します。

eMMC と UFS は何が違うのか

データの転送速度が違う

eMMC と UFS の大きな違いはデータの転送速度です。データの転送速度の違いは、処理速度に大きく関係します。たとえば、転送速度が速くなるとスマホやアプリの起動が速くなる、操作をしたときの反応速度がスムーズになる、ファイルのダウンロード時間が短くなるなどの効果があるでしょう。

eMMC と UFS の理論上のデータ転送速度を比較すると、eMMC 5.0 は最大 3.2 Gbps、eMMC 4.5 は最大 1.6 Gbps に対し、UFS 3.1 は最大 23.2 Gbps、UFS 2.1 は最大 11.6 Gbps です。このように上位モデルの UFS はもちろんのこと、下位モデルの UFS でも、eMMC に比べてかなり高速になっています。

データの保存容量が違う

たとえば、eMMC の容量は大きいもので 256 GB、一般的には 32 GB あるいは 64 GB が主流となっています。一方で、eMMC よりもデータ転送速度が速いといわれる UFS の場合、1 TB までの容量をサポートしているものもあります。

スマホに使われているストレージは、データ転送速度が速いとされるものほど、サポートされる保存可能な最大データ容量が大きくなる傾向にあるといえるでしょう。新しい機種を選ぶ際には、参考にしてみるとよいかもしれません。

ストレージ容量を増やす方法

スマホで動画を撮影する機会が多い方やたくさんの画像を保存しておきたい方などは、ストレージ容量を増やしたいと思うこともあるかもしれません。

しかし、eMMC や UFS などの内部ストレージは基板に直接取り付けられているため、取り外しができず交換ができません。そのため、ストレージ容量を増やしたいときは、外部ストレージを利用したり、スマホの機種変更をしたりするなど、内部ストレージを交換する以外の方法を検討しましょう。

ストレージ容量を増やす方法

クラウド ストレージを利用して容量を増やす

ストレージの容量を増やす方法として、Google ドライブなどのクラウド ストレージを利用する方法が考えられます。

動画や画像の保存数が増えてスマホのストレージの空き容量が少なくなった場合は、クラウド ストレージにデータを保存してからスマホ本体のデータを消去することで、スマホのストレージの空き容量を増やすことが可能です。

外部ストレージを使って容量を増やす

スマホに外部ストレージを接続して、スマホ本体のストレージの空き容量を増やす方法も有効です。外部ストレージとしては、SD カードや USB メモリ、外付け HDD、外付け SSD などがあります。特に外付け SSD は高速な読み書きが可能なメモリーチップを搭載しているので、データ転送速度が速く、動画などサイズの大きなデータファイルの保存に向いているといえます。

スマホを機種変更する

eMMC や UFS などの内部ストレージは交換ができないため、機種変更を検討するのもよいでしょう。

近年ではスマホのカメラ性能も上がり、撮影した画像や動画のデータ容量も大きくなった分、スマホに搭載されるストレージ容量も大きくなりました。たとえば、Google Pixel 7 では最大 256 GB の UFS 3.1 ストレージ、Google Pixel 7 Pro ならば最大 512 GB の UFS 3.1 ストレージが搭載されています。

このように、大容量のストレージを備えたスマホに機種変更することで、多くの動画や画像を保存できます。さらに外部ストレージも併用するなど、必要に応じてストレージ容量を調整してみましょう。

スマホに保存したいデータによってストレージを活用しよう

eMMC や UFS は、スマホをはじめとする小型のコンピューター製品に利用されることが多いストレージです。両方とも小型で消費電力が少ないため、スマホのバッテリーの消費が抑えられる傾向にあります。また、UFS は eMMC よりもデータ転送速度が速く、データ保存容量も大きいものがあるため、Google Pixel シリーズをはじめ多くの機種に搭載されています。

ただし、eMMC や UFS の内部ストレージは交換できないので、保存容量を直接増やすことができません。そのため、スマホの保存容量が足りないと感じたときは、クラウド ストレージや外部ストレージの利用も検討するとよいでしょう。

また、スマホの機種変更を考えてもよいかもしれません。動画など大容量のデータを保存したい場合は、搭載されているストレージの規格や保存容量も確認してみてはいかがでしょう。

※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。

※本記事で紹介した内容は、執筆時(2023 年 4 月)のものです。

参考:

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