折りたたみスマホとは
折りたたみスマホの概要、仕組み、種類について紹介します。
折りたたみスマホの概要
折りたたみスマホとは名称からイメージできるとおり、スマホを物理的に折りたためてサイズを小さくできるスマホのことです。従来、スマホは大型化、薄型化などで使いやすく進化してきましたが、大型化と持ち運びのしやすさは相反するため、これらを同時に追求するのは限界がありました。しかし、折り曲げられるディスプレイが開発されたことにより、新しいスタイルの折りたためるスマホを誕生させることに成功しました。
※2021年12月現在、折りたたみスマホは Android スマホのみ販売されています。
折りたたみスマホの仕組み
折りたたみスマホ登場の背景には「有機 EL ディスプレイ」の普及があります。従来のスマホは多くの製品に液晶ディスプレイが採用されています。液晶ディスプレイは液晶に光を当てなければならないため、バックライトが別に必要になり、結果として折り曲げるなどの加工が難しい機構になっていました。
一方、「有機 EL ディスプレイ」はディスプレイそのものが光を発するため、バックライトが必要ではありません。そのため、画面を折り曲げたり、丸めたりすることが可能です。この「有機 EL ディスプレイ」を画面に使って、デバイス側のヒンジ部分で開閉を可能にした結果、スマホが折りたためるようになりました。
折りたたみスマホの種類
折りたたみスマホは、2つに折りたためるものが一般的ですが、折りたたむ方向によって「横折り型」と「縦折り型」の2種類に分かれます。利用目的や使い勝手から選択するとよいでしょう。
横折り型|大画面をポケットに
スマホを文庫本のように広げる形で開閉ができる横折り型は、画面を広げたときの大画面が魅力的だといえるでしょう。デバイスによってはタブレットのように大画面となることから、Web ブラウジングはもちろん、動画鑑賞や電子書籍の閲覧などに適しているのではないでしょうか。
縦折り型|いつものスマホをコンパクトに
スマホが普及する前に主流であったフィーチャーフォンのように、上下に開閉できる縦折り型の魅力は、折りたたんだときのコンパクトさでしょう。開いたときのサイズは通常のスマホと同程度となり、閉じれば半分のサイズになるため、持ち運びに便利です。
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折りたたみスマホの特徴やメリット
折りたたみスマホの特徴やメリットについて紹介します。
タブレットクラスの大画面を持ち運べる
横折り型の折りたたみスマホは、開いたときには7インチ程度のタブレットサイズと同じくらいの大画面です。通常、タブレットを持ち運ぶためにはカバンが必要ですが、折りたたみスマホであれば、服のポケットに入れても持ち運べるかもしれません。タブレットクラスの大画面をスマホのように持ち運びやすいことは、デジタルコンテンツを場所や時間を選ばずに快適に活用できることにつながります。
大画面を生かしたマルチタスキングが可能
タブレットサイズの横折り型折りたたみスマホでは、大画面を生かしたマルチタスキング操作が容易にできるでしょう。たとえば、同時に2つ以上のアプリを1つの画面内に起動させて、利用できることで作業効率のアップが期待できます。また、片方の画面で Web の記事を確認しながら、もう一方も画面で文書の作成ができるので、従来のスマホよりも活用の幅を広げられるでしょう。
折りたたんだ状態でもスマホの操作ができる
折りたたみスマホの中には、閉じた状態でも普通のスマホとして利用できるデバイスもあります。たとえば、横折り型折りたたみスマホである「Galaxy Z Fold3 5G」は、閉じた状態でも約6.2インチのディスプレイを使った操作が可能です。折りたたみスマホでは、使用するたびに開閉が必要になるわけではありません。スマホを頻繁に使うというときも大きなストレスを感じることもなく利用できるでしょう。
折りたたみスマホの注意点
スマホとタブレットのメリットを両取りできる折りたたみスマホですが、利用にあたってはいくつか注意点があります。
価格が高い傾向がある
折りたたみスマホは、最新技術が搭載されていることもあって、デバイス本体の価格が高い傾向にあります。たとえば、Google の最新スマホである Pixel 6 は7万円程度から購入できますが、最新の折りたたみスマホの中には20万円を超える価格の製品もあります。
コンパクトで持ち運びしやすいが厚くて重い傾向がある
折りたたみスマホは、折りたたんだときに2枚のディスプレイが重なることから、必然的に厚くなってしまいます。また、横折り型の場合は、特に大きなディスプレイサイズになることから、デバイスの重さは従来のスマホよりも重いと感じてしまうかもしれません。
折りたたみスマホの利用シーン
デバイス自体を折り曲げられるようになった折りたたみスマホは、従来のスマホよりも活用シーンが増えたのではないでしょうか。折りたたみスマホの利用シーン例を3つ取り上げて紹介します。
写真・動画撮影をもっと便利に
折りたたみスマホでは写真や動画の撮影がより便利に利用できるでしょう。自撮りをするときなど、従来のスマホであれば画角を確認しながら撮影するために、必然的にインカメラを使う必要がありました。一般的にインカメラの画質はアウトカメラの画質よりも低いため、高画質の撮影ができませんでした。しかし、折りたたみスマホであれば、デバイスを広げた状態で撮影することで高画質のアウトカメラを使いながら、リアルタイムで画角を確認できます。他にも、デバイスを半分だけ開いて机などに置けば、別途スタンドを使わずに撮影が可能になるなど、より便利な使い方が可能です。
オンラインミーティングなどをもっと便利に
昨今、オンラインのテレビ会議や家族などとテレビ電話をする機会が増えたという人もいるかもしれません。そんな時、折りたたみスマホの開き具合を調整することで、机において自分の姿を撮影しながらハンズフリーでテレビ会議やテレビ電話が可能になるでしょう。また、従来のスマホよりも表示面積が広くなるため、複数人の顔を映すことができるかもしれません。スマホで相手の顔を見ながらコミュニケーションをとる機会がある方などは、折りたたみスマホの活用方法も広がるのではないでしょうか。
ネットサーフィンがもっと便利に
横折り型の折りたたみスマホであれば、タブレットサイズのディスプレイでネットサーフィンなどが楽しめますので、情報をより効率的に集められるでしょう。たとえば、2画面にブラウザを分割して検索することはもちろん、マルチタスキングで動画を見ながら記事を検索するなど、さまざまな活用方法が考えられます。使い方によっては、折りたたみスマホ1台でパソコンやタブレットなどの代わりに使える可能性があります。
折りたたみスマホでネットサーフィンしてみた様子はこちらもチェック。Android ユーザーが Android の便利な使い方を動画で紹介。
折りたたみスマホの特徴を正しく理解して活用しよう!
折りたたみスマホは「折りたためる」という新しい使い方ができるなどの特徴があります。一方で、形状が従来のスマホとは大きく異なるため、利用にあたっては注意点について、しっかりと理解してから活用しましょう。
※本記事で紹介した内容は、一部ご利用になれないデバイスなどもあります。本製品または、その一部の機能などを利用できるかどうかは、OEM およびデバイスメーカーによって異なります。