空の色も構図も自由自在! AI ツール「編集マジック」でより魅力的な写真に仕上げる方法
空の色も構図も自由自在! AI ツール「編集マジック」でより魅力的な写真に仕上げる方法

空の色も構図も自由自在! AI ツール「編集マジック」でより魅力的な写真に仕上げる方法

2024.11.20

空の色も構図も自由自在! AI ツール「編集マジック」でより魅力的な写真に仕上げる方法

集合写真で一人だけ不自然に離れてしまった、せっかくの旅行の写真なのに曇り空ばかり…。そんなときは、Google フォト アプリの AI 編集ツール「編集マジック」を使ってみてはいかがでしょうか。人物などの被写体を選択して好きな場所に移動したり、背景の曇り空を晴天に変えたりできます。専門的な編集技術がなくても、数回タップするだけで、AI がコンテンツに応じて調整された写真を生成してくれます。本記事では、編集マジックの魅力的な機能や使い方、ユニークな活用方法を紹介します。

編集マジックとは?

編集マジックとは、Google フォト アプリで利用できる AI 編集ツールです。専門的な編集ソフトや高度な技術はいらず、スマホで被写体のサイズや位置の調整などが簡単にできます。写真に大きな変更を加えても、生成 AI によって、元の写真に溶け込むような自然な仕上がりを得ることができます。

また、編集のアイデアに悩むこともありません。AI が写真に合った、編集候補を提案してくれるからです。編集候補はいくつか用意されていて、空の色を変えたり、背景をぼかしたり、雰囲気やトーンを一変させたりできます。AI が提案してくれる中から選ぶことで、いつもの写真がさらに魅力的になる、まさに魔法のような編集機能です。

編集マジックで何ができる?

ここからは、編集マジックによって実現できる、魅力的な編集機能を紹介します。

被写体のサイズ・位置の調整が自由自在

編集前(左)と編集マジックで被写体を拡大・移動した後(右)

編集前(左)と編集マジックで被写体を拡大・移動した後(右)

被写体のサイズや位置を自由に調整できます。たとえば、撮影後に被写体の人物を中心に配置し直すなど、構図を変更したいときに便利です。

動き回る子どもやペットを思うように撮影できなかったときや、集合写真で離れて写ってしまった人物を近づけたいときなどにも、編集マジックなら理想の一枚に仕上げることができます。

不要なものを自然に取り除ける

編集前(左)と編集マジックでテーブルの上のものを取り除いた後(右)

編集前(左)と編集マジックでテーブルの上のものを取り除いた後(右)

選択した範囲を写真から消すこともできます。取り除いたところも、自然な仕上がりで目立ちません。景色の雰囲気に合わない建造物が写りこんでしまった写真や、人通りの多い場所で撮った写真などで活用できます。不要な物や人物を取り除くことで、写したい被写体をより目立たせることができるでしょう。

曇り空でもOK! 空の色を魅力的に変えられる

編集前(左)と編集マジックの [空] を使用した後(右)編集前(左)と編集マジックの [空] を使用した後(右)

撮影時があいにくの天気でも、編集マジックを使えば、写真の中の空を快晴に変えられます。空の編集は、写真に合った編集候補をいくつか提案してくれる、編集マジックの「プリセット」機能の一つです。写り込んだ空の色を変えたり、雲や陽光などを追加できたりします。大切な記念写真や旅行先の風景など、思い出の写真を一層鮮やかに仕上げられるでしょう。

夕焼け色でドラマティックに

編集前(左)と編集マジックの [ゴールデン アワー] を使用した後(右)

編集前(左)と編集マジックの [ゴールデン アワー] を使用した後(右)

編集マジックのプリセット [ゴールデンアワー] は、写真を夕焼けのような空の色に変える機能です。「ゴールデンアワー」とは日の出・日の入りの時間帯のことで、昼間に撮影した写真でも、空をあかね色のグラデーションに染めることができます。

空の色だけでなく、被写体や背景など写真全体の雰囲気が日が落ちたような自然な色に染まるため、何気ない街角の写真もノスタルジックな雰囲気に仕上げられます。

背景をぼかしてポートレートモードのように

編集前(左)と編集マジックの [ポートレート] を使用した後(右)

編集前(左)と編集マジックの [ポートレート] を使用した後(右)

背景をぼかして被写体を強調させたいときは、編集マジックのプリセット [ポートレート] の出番です。スマホのポートレートモードで撮影していない写真でも問題ありません。AI が背景をぼかしてくれたり、全体的な明るさを調整、映り込んでいる人物の消去なども合わせて提案してくれるため、本格的なカメラを使ったような、奥行きのある写真を簡単に再現できます。

人物やペットなどの被写体を目立たせたいときに使ってみましょう。他にも、料理などの近接写真を加工すれば、被写体が鮮やかに強調されて、より美味しそうに演出できるでしょう。

まるで絵画! 写真全体のスタイルを一変

編集前(左)と編集マジックの [スタイル適用] を使用した後(右)

編集前(左)と編集マジックの [スタイル適用] を使用した後(右)

プリセットの [スタイル適用] は、AI による斬新な編集提案を楽しめる機能です。写真全体の明るさや雰囲気が一変したり、絵画調に変わったりと、AI がさまざまなスタイルを提案してくれます。

スマホで編集マジックを使うには?

これまで紹介した編集マジックの機能は、Google フォト アプリがあれば誰でも利用できます。編集マジックを利用するには、インターネット接続と写真のバックアップが必要です。

編集マジックは基本的に無料で利用でき、編集した写真を 1 か月あたり 10 回まで保存できます。編集した写真を何度でも保存したい方は、Google One プレミアムの 2 TB 以上のプランへのアップグレードをご検討ください。編集マジックの保存枚数が無制限になります。アップグレードなどの詳細は Google One へのお申し込みをご確認ください。

また、Google Pixel シリーズをお使いの場合も、保存枚数に上限はありません。

※ 64 ビットのチップセット、4 GB 以上の RAM、Android 8.0 以降が搭載されているデバイスを使用する必要があります。

スマホで編集マジックを使うには?

編集マジックを使ってみよう! 手順を紹介

ここからは、先ほど紹介した編集マジックの各機能の手順を紹介します。各機能に共通する、最初の手順は以下のとおりです。

  1. Google フォト アプリ Google フォト アプリ を開きます
  2. 編集したい写真を選択します
  3. 編集アイコン 編集アイコン 画面左下に​ある​色が​カラフルに​変化している​編集マジック アイコン 編集マジック アイコン をタップします
  4. 写真のバックアップを求められた場合は [バックアップ] をタップします

なお、​Google フォトでは、常に写真のバックアップをオンにする設定が可能です。右上の​​ Google アカウントの​アイコンを​タップし、​バックアップ機能を​有効に​して​おきましょう。

※編集マジックで写真オプションが生成されるまでには、少々時間がかかることがあります。

※この機能は試験運用版であり、予期しない動作が発生することがあります。

被写体のサイズや位置を変更する、不要な物を消去する

被写体の移動や拡大・縮小、不要な物の消去といった手順は以下のとおりです。

  1. 編集したい被写体をタップする、かこむ、なぞるのいずれかの操作で選択します。​選択範囲の​輪郭が白く囲われます
    ・より正確に調整したい場合は、画面をピンチアウトして拡大します
    ・選択範囲を調整したい場合は [選択範囲を改善] をタップします。選択範囲の [追加] または [除去] の操作ができます

選択範囲(風船)が白く囲まれた画像

  1. 選択範囲を操作します
    ・大きさや位置を変更したい場合は、選択範囲を長押してから、ピンチ操作でサイズ変更、ドラッグして移動します
    ・削除したい場合は、[消去] をタップします
  2. 矢印マークをタップします

矢印マークをタップする画面

  1. AI が生成した編集候補が 3~4 枚表示されるので、左右にスワイプして気に入ったものを選びます
    ・画像を長押しすると編集の前後を比較できます
    ・好みのものがない場合は、一番右までスライドし、[新しい結果セットを取得] をタップすると、新しい候補を再生成できます
  2. チェックマーク アイコン チェックマーク アイコン をタップします

チェックマーク アイコンをタップする画面

  1. [コピーを保存] をタップして終了します。別の編集を継続する場合は操作を続けます

[コピーを保存] をタップする画面

写真に合ったプリセットを適用する

写真によっては、プリセット アイコンが表示され、写真に合ったプリセットを適用できます。

  1. プリセット アイコン プリセット アイコン をタップします
  2. 適用したいプリセットをタップします
    ・[] : 空の色や雲の量を変更します
    ・[ゴールデン アワー] : 夕焼け色のトーンになります
    ・[ポートレート] : 背景をぼかして被写体を強調します
    ・[スタイル適用] : 写真の明るさを調整、または写真を絵画風に変更します

プリセットの候補が表示された画面

  1. AI が生成した編集候補が 3~4 枚表示されるので、気に入った編集の画像を選びます
    ・画像を長押しすると編集の前後を比較できます
    ・一番右までスライドし、[新しい結果セットを取得] をタップすると、新しい候補を再生成できます
  2. チェックマーク アイコン チェックマーク アイコン をタップします

チェックマーク アイコンをタップする画面

  1. [コピーを保存] をタップして終了します。別の編集を継続する場合は操作を続けます

[コピーを保存] をタップする画面

※プリセットのオプションは写真に応じたものが表示されます。常に全てのオプションを選択できるわけではありません。

編集マジックでこんなことも! 活用アイデア集

編集マジックを使えば、現実ではありえない面白い写真を作ることもできます。ここでは、ユニークな活用アイデアを紹介します。

【動物を巨大化する】

動物を大きくして、可愛くて面白い写真を作ることができます。たとえば、ペットの犬を大きく、人物を小さく編集して、大きさが逆転してしまったような写真を作ることができます。

編集マジックによって子どもよりも巨大化した犬編集前(左)と編集マジック使用後(右)

【物の上に人物を乗せる】

被写体を移動させて、トリックアートのような編集も簡単にできます。水面や山頂、虹の上など現実ではありえない場所に人物が立っているような、不思議な写真を作ることができます。

編集マジックによって虹の上に乗る人物

編集前(左)と編集マジック使用後(右)

【大空を飛ぶ】

まるで大空を飛んでいるような写真も作成できます。ジャンプしている被写体を写真の上に移動させ、地面を削除し、背景にプリセットの [空] を適用します。

編集マジックによって空まで飛び跳ねている人編集前(左)と編集マジック使用後(右)

また、#Pixelマジック大喜利 をつけて編集マジックを使った写真を SNS に投稿するキャンペーンが実施されたこともあります。ユニークな作品を参考にオリジナリティ溢れる面白い編集を試してみてください。

Google Pixel 9 シリーズから新機能も登場

Google Pixel 9 シリーズからは、編集マジックに 2 つの新機能「オートフレーム」と「イマジネーション」が加わります。

オートフレームは、写真の最適な構図を自動的に調整して提案する機能です。ベストな切り抜きを提案したり、景色を広く見せるために画像の拡大などすることができます。たとえば、斜めに撮ってしまった写真を水平に調整したり、写真の背景を拡張してダイナミックな構図に変更したりできます。

イマジネーションは、写真に新たなものを追加したり、置き換えたりできる機能です。変更したい範囲を選択して、そこに追加したいものを文字(プロンプト)で入力すると、まるで本物のような物体を生成してくれる機能です。たとえば、草原を花畑に変えたり、空に気球を追加したりと、アイデアを簡単に写真へ反映できます。

Google Pixel 9 シリーズについての詳細は Google ストアをご確認ください。

※イマジネーションは 2024 年 9 月現在、英語入力でのみ利用可能です。

※イマジネーションを使用できるのは、18 歳以上で、Google Pixel 9、Google Pixel 9 Pro、Google Pixel 9 Pro Fold をご利用の方のみです。

編集マジックでクリエイティブな写真編集を楽しもう

編集マジックは、Google フォト アプリで利用できる、生成 AI を活用した画像編集機能です。編集したい写真の一部をタップするだけで選択範囲が確定し、被写体の大きさや位置を変えたり、不要な物を削除したりできます。

編集のアイデアが思い浮かばなくても、AI が写真に合った編集を提案してくれます。天気が悪い日に撮った写真も、空を晴天やドラマティックな夕焼けに差し替えることができます。また、Google Pixel 9 シリーズから、フレームや構図を自動で調整してくれる機能なども加わりました。

本来撮りたかった理想の写真に仕上げたり、現実ではありえないようなユニークな写真を作ったりと、使い方はあなた次第です。編集マジックを活用して、クリエイティブな写真編集を楽しんでみませんか。

※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。

※本記事は、2024 年 9 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。

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