Google フォームとは? 利用するメリット
Google フォームは Google が提供するサービスの一つで、アンケートや出欠表などのフォームの作成、共有、回答の分析などをオンライン上で簡単に行えます。
ここでは、特に注目したい Google フォームのメリットを 5 つピックアップして紹介します。
無料で簡単に作成できる
Google アカウントがあれば、Google フォームを利用して誰でも無料でオンライン フォームを作成できます。アイコンをタップして質問や説明、画像、動画などのコンテンツを追加したり、ドラッグ&ドロップで質問を並べ替えたりと、直感的な操作で手軽にアンケートやフォームなどを作ることが可能です。
デバイスを問わずどこからでも利用可能
Google フォームを利用する際、アプリのインストールは不要です。forms.google.com にアクセスするだけで、スマホやタブレット、パソコンから、フォームの作成・編集・共有・回答の分析などの操作ができます。完成したフォームのリンクを共有すれば、回答者もデバイスを問わず、オンラインで簡単に回答することができます。
カスタマイズ可能なデザインと豊富なテンプレート
フォームを作成する際は、色、画像、フォントを選んで好みのデザインにカスタマイズできます。また、パソコンから操作する場合は、あらかじめデザインや質問項目がセットされたテーマ別のテンプレートを利用することも可能です。
回答の集計結果がグラフでわかりやすい
Google フォームの回答データはリアルタイムで更新されます。結果は自動的に集計され、グラフで視覚的に傾向を把握することができます。また、回答を Google スプレッドシートに出力して、一覧にすることも可能です。
複数の共同編集者が同時に編集・分析できる
Google アカウントを持っている人を共同編集者に追加すれば、フォームの作成や編集、回答の確認などを複数人で同時に行えます。役割分担してフォームを編集したり、回答結果を同時に閲覧しながら分析したりする場合に便利です。
Google フォームの活用事例
Google フォームを使って、さまざまな種類のフォームを作成できます。ここでは、日常で使える活用方法のアイデアをいくつか紹介します。
参加フォーム
イベントなどに参加するかどうかを確認する出欠票を Google フォームで作成できます。食事会や旅行などを企画する際に、複数の人に出欠を確認したり、参加希望者を簡単にリストにしたりすることができます。
アンケート
Google フォームでアンケートを作成することもできます。たとえば、イベントを企画するときに参加できる人が多い日を調べたり、イベントや商品の満足度を調査したり、といった使い方ができるでしょう。
クイズ
テスト形式に設定すると、回答者が回答するだけでなく、正解を確認できるクイズを作成することもできます。もちろん、配点を決めて点数をつけるテストを作成することもできます。自動で採点して回答者に得点を知らせたり、回答者が正解、不正解を確認できるようにすることも可能です。
また、パソコンから Google フォームにアクセスすると、注文書や評価テストなど、さまざまなシーンに利用できるテンプレートが用意されていますので、活用してみてください。
【基礎編】Google フォームの使い方
ここでは、フォームの新規作成から回答者への共有、回答結果の確認までの手順を紹介します。作成中のフォームは自動的に Google ドライブに保存されるため、作業の途中で中断しても問題ありません。
なお、Google フォームの作成には Google アカウントが必要です。お持ちでない方は、ヘルプセンターの Google アカウントの作成にアクセスし、アカウントを取得してください。
フォームを新規作成する
まずは、フォームを新規作成しましょう。手順は以下のとおりです。
- Google Chrome などのブラウザ アプリを開きます
- forms.google.com にアクセスします
- Google アカウントにログインしていない場合はログイン画面が表示されるので、利用したいアカウントでログインします。Google アカウントにログインしている場合は、新しいフォームが自動的に開きます
次に、ファイル名、フォームのタイトル、フォームの説明などの概要を入力します。
- ファイル名をタップして変更します(画像左)。ファイル名を入力すると、フォームのタイトルに自動で同じものが入力されます。タイトルを変更したい場合は、タップして入力します(画像右)
- [フォームの説明] をタップして、回答者に向けた内容の説明やアンケートの目的などを入力します
また、画面の下にはアイコンの並んだメニューが表示されています。各アイコンの機能は、左から順に次のとおりです。
- 追加アイコン(+): 質問を追加します。
- 質問インポート アイコン : 過去に作成したフォームの質問をインポートして再利用します。
- タイトルと説明追加アイコン : 質問の間にタイトルや説明などの文章を追加します。
- 画像追加アイコン : フォームに画像を追加します。
- 動画追加アイコン : フォームに動画を追加します。
- セクション追加アイコン : セクション(後述)を追加します。
質問を作成する
では、早速質問を作成してみましょう。質問を入力して回答のパターンを選び、必要であれば選択肢を作成します。フォームを新規作成すると、[無題の質問] と書かれた空の質問がひとつ作成されますので、まずはそれを編集しましょう。
[無題の質問] をタップして質問内容を入力します。
次に、回答欄の形式を選びます。[ラジオボタン] をタップすると、下の画像のようにリストで表示されます。
質問内容や、集計時にどのようなデータが必要になるかを考えたうえで、適した回答パターンを選択しましょう。
【記述式】
短い文や単語で回答を求める場合に設定します。
回答に文字数を指定したり、数字やメールアドレスに限定するなどのルールを設定することもできます。質問の右下にあるその他アイコン(︙)をタップし、[回答の検証] を選ぶとルールを追加できます。
ルールの詳細は、ヘルプセンターのルールの種類をご覧ください。
【段落】
文章での回答を求める場合に設定します。改行が可能なので、回答が長文になる場合にも利用できます。回答に最大文字数や最小文字数などを定める場合は、質問の右下にあるその他アイコン(︙)をタップし、[回答の検証] からルールを追加します。
ルールの詳細は、ヘルプセンターのルールの種類をご覧ください。
【ラジオボタン】
複数の選択肢から一つだけ選択して回答してほしい場合に設定します。「その他」のボタンを追加すると、回答者が「その他」を選んだときに、自由な回答を入力できるようになります。
【チェックボックス】
[チェックボックス] は、選択肢から回答を一つまたは複数選択してほしい場合に設定します。「その他」を追加すると、選択肢に当てはまらない場合の回答も集計できます。回答者は「その他」を選択すると、独自の回答を入力することができます。
【プルダウン】
[ラジオボタン] と同じく、選択肢から一つだけ選択して回答してほしい場合に設定します。選択肢が折りたたまれており、タップすると選択肢が一覧表示されます。選択肢が多く、ラジオボタンにするとフォームが長くなってしまう場合などに便利です。
【ファイルをアップロードする】
回答者に画像や動画、PDF などのファイルのアップロードを求める場合に設定します。この質問形式を含むフォームでは、回答者は Google アカウントへのログインを求められます。回答としてアップロードされたファイルは、アンケートのオーナーの Google ドライブに保存されます。
【均等目盛】
最小値(0 または 1)と最大値(2〜10 の間)にラベルをつけて、段階を回答者に選択してもらう方法です。満足度や理解度など、段階で評価してほしいときに利用するとよいでしょう。
【選択式(グリッド)】
質問に対して、複数の項目の中から一つずつ回答を選択してもらう方法です。回答者の選択を各項目につき 1 つだけにしたい場合は、その他アイコン(︙)から [1 列につき 1 つの回答に制限] をタップします。
【チェックボックス(グリッド)】
質問に対して、複数の項目で一つまたは複数の回答を選択してもらう方法です。各項目で 1 つだけ選択できるようにしたい場合は、その他アイコン(︙)から [1 列につき 1 つの回答に制限] をタップします。
【日付】
日付の回答を求める場合に設定します。回答に月日だけでなく年(西暦)や時刻を含める場合は、質問右下にあるその他アイコン(︙)をタップし、[年を含める] [時刻を含める] をそれぞれオンにします。両方をオンにして、年、月、日、時刻をすべて回答に含めることも可能です。
【時刻】
時刻や経過時間の回答を求める場合に設定します。経過時間の場合は時間、分、秒の単位で記入できます。時刻と経過時間を切り替えるには、質問右下にあるその他アイコン(︙)をタップして、[時刻] または [経過時間] を選択します。
作成した質問への回答を必須にしたい場合は、質問の右下にある [必須] をタップしてオンにします。(下の画像は [必須] がオンになった状態)
また、[必須] の右横にあるその他アイコン(︙)をタップすると、質問の種類に応じてさまざまな操作や設定ができます。どの質問にも共通した項目は以下のとおりです。
- [アイテムのコピーを作成] : 質問を複製します。
- [削除] : 質問を削除します。
- [説明] : 質問に詳しい説明を追加します。
その他、質問の種類ごとに異なる回答のルールを設定することができます。詳しくは、ヘルプセンターのルールの種類を参照してください。
質問を追加する
画面下の追加アイコン(+)をタップすると、新しい質問が作成されるので、内容を編集しましょう。
似たような内容や同じ形式の質問を追加したい場合は、その他アイコン(︙)から質問を複製して編集すると便利でしょう。
質問の順番を入れ替える
ドラッグ&ドロップで、簡単に質問の順序を入れ替えることができます。質問の順序を入れ替えるには、質問の上部(下の画像の赤枠部分)を長押しながら入れ替えたい方向に向かって動かし、移動させたい場所で指を離します。
フォームをプレビューする
質問を作成したら、フォームをプレビューしてみましょう。回答者用の画面を確認したり、実際に回答を入力してフォームの動作を確認したりすることができます。
回答者にフォームを共有する前に、プレビュー画面でチェックするとよいでしょう。プロフィール アイコン左のその他アイコン(︙)をタップして [プレビュー] をタップすると画面が遷移します。
プレビューを終えたいときは、画面右下の編集アイコン(鉛筆マーク)をタップします。
完成したフォームを回答者へ共有する
フォームが完成したら、回答者に共有する前に、[設定] タブを開いて、共有の設定を確認しましょう。回答者の回答を 1 回に制限したり、回答者が送信済みの回答を編集できるように許可することができます。
詳細はヘルプセンターのステップ 1: フォームの設定を確認するをご覧ください。
設定の確認が完了したら、フォームを回答者に共有しましょう。画面上部の送信アイコン(紙飛行機マーク)をタップすると、共有方法の選択画面に移動します。
「メールアドレスを収集する」の右横のプルダウンをタップして、回答者のメールアドレスを収集するかどうかを選択します。(下の画像)
- [確認済み] : 回答者は Google アカウントへのログインが必要になります。
- [回答者からの入力] : 回答者はメールアドレスの入力は必須ですが、Gmail 以外のメールアドレスも入力できます。
- [収集しない] : 回答者はメールアドレスの入力が不要になります。
回答者にフォームを共有するには、メールで送信する、フォームのリンクを共有する、サイトやブログ等にフォームを埋め込む、SNS で送信する、といった方法があります。アイコンをタップすると、共有方法を切り替えられます。
【メールで送信する】
回答者のメールアドレスにフォームを送信する方法です。送信先に指定するメールアドレスの間にスペースやカンマ(,)を入れると、複数の回答者に一斉送信が可能です。Gmail へ送信する場合は、Google アカウント名でも入力できます。
また、件名とメッセージ(メールの本文)にはあらかじめ定型文が入力されているのでこのまま送信することもできますが、文章を編集することもできます。[フォームをメールに含める] のチェックボックスをオンにすると、回答者はメールを開くだけでフォームの内容を確認できます。
メールアドレスを知っている回答者に対し、メッセージを添えて回答を依頼する場合に便利な方法です。
【リンクを取得する】
チャットアプリやサイトなどに URL を貼り付けて回答を依頼したいときは、フォームの回答者用リンクを取得して、URL をコピーできます。URL は短縮することも可能です。
【HTML を埋め込む】
ウェブサイトやブログに作成したフォームを埋め込むことができます。埋め込みアイコン(<>)をタップすると HTML が表示されるので、コピーしてウェブサイトやブログに貼り付けます。
【SNS で共有する】
不特定多数の人に回答を依頼したい場合は、SNS にリンクを貼って送信するとよいでしょう。送信ページの右上の SNS アイコンをタップすると、各 SNS の画面に移動して、回答用のリンクが記入された投稿を作成できます。
フォームの共有の設定について詳しくはヘルプセンターのフォームを送信するをご覧ください。
回答を確認する
回答結果を確認するには、[回答] をタップします。[回答] の右側にある数字は回答数を表しています。
回答確認ページは [要約]、[質問]、[個別] の 3 つのタブに分かれています。[要約] では、棒グラフや円グラフなどによって視覚的に集計結果を確認することができます。
[質問] タブでは質問ごとに集計結果を確認することができます。質問一つに対する回答を分析するのに便利です。[個別] タブでは、回答者ごとの回答を確認できます。
集計結果をリスト化したり、集計したデータを詳細に分析したい場合は、Google スプレッドシートに書き出すと良いでしょう。
フォームの回答タブにあるスプレッドシートのリンク アイコン(下の画像)をタップし、[新しいスプレッドシートを作成] を選択して [作成] をタップすると、回答内容をまとめたスプレッドシートが自動で作成されます。
また、[回答を受付中] をオフにすると、回答を締め切ることができます。
【応用編】Google フォームをさらに使いこなそう
ここからは、背景色などのデザインをカスタマイズする方法や、共同編集者を追加する手順、回答に応じてフォームを条件分岐させる方法など、Google フォームをさらに活用できる設定をピックアップして紹介します。
テーマやフォントを変更する
フォームの色やフォント(英字のみ)、ヘッダー画像を変更してデザインをカスタマイズできます。
- フォーム上部の [テーマをカスタマイズ] アイコンをタップします(下の画像左側)
- フォント、ヘッダーの画像、色を選んで、右上の [適用] をタップします(下の画面右側)
共同編集者を追加する
共同編集者を追加すると、フォームの編集や回答の確認などを複数人で同時に行うことができます。
手順は以下のとおりです。
- プロフィール アイコン左のその他アイコン(︙)をタップします
- [共同編集者を追加] をタップします
- [ユーザーやグループを追加] をタップして、追加したいユーザー アカウントを選択またはメールアドレスを入力します
- 共同編集者に追加したことをメールで知らせるには、[通知] のチェックボックスをオンにし、必要に応じてメッセージを添えます
- [送信] をタップします
回答の選択肢の順序をシャッフルする
回答形式がラジオボタン、チェックボックス、プルダウンの場合は、回答の選択肢をシャッフルできます。
手順は以下のとおりです。
- 選択肢の順序をシャッフルする質問をタップします
- 右下のその他アイコン(︙)をタップします
- [選択肢の順序をシャッフルする] をオンにします
回答形式が選択式(グリッド)とチェックボックス(グリッド)の場合は、行の順序をシャッフルできます。選択肢のシャッフルと同様に質問右下のその他アイコンから設定が可能で、[行を並べ替える] をオンにします。
セクションを追加する
セクションを追加して、複数の質問をトピック別にまとめることもできます。回答者の画面では、セクションごとにページが分けられるので読みやすくなります。
セクションを追加する手順は以下のとおりです。
- セクションを入れる場所のすぐ上の質問をタップして選択します(選択すると、質問の左側が青くなります)
- セクション追加アイコンをタップします
- 新しいセクションの名前と説明を入力します
また、セクションは順序の入れ替えや結合、複製などの操作もできます。複製するとセクション内の質問もコピーされます。詳しくはヘルプセンターのフォームを編集するをご覧ください。
回答に応じて条件分岐する
ラジオボタンまたはプルダウン形式で回答してもらう質問を作成した場合は、回答者の選択した回答に応じて指定先のセクションに移動させることで、次に表示する質問を変えたり、送信ボタンのページに飛ばしたりすることができます。
たとえば「同窓会に参加を希望しますか?」という質問に「はい」と答えた場合は希望日程を答える画面に、「いいえ」と答えた場合はアンケートの送信画面にそれぞれ遷移するといった設定が可能です。
次の手順で設定します。
- 質問右下のその他アイコン(︙)をタップします
- [回答に応じてセクションに移動] をタップします
- 選択肢ごとに遷移するセクションを指定します。[フォームを送信] を選択することも可能です
確認メッセージを編集する
回答者がフォームを送信すると、デフォルトでは「回答を記録しました」と確認メッセージが表示されます。この確認メッセージは、任意の文章に変更することもできます。
手順は以下のとおりです。
- フォーム上部の [設定] をタップします
- [表示設定] 右横の下矢印アイコン(∨)をタップします
- 「確認メッセージ」右横の [編集] をタップします
- 「確認メッセージ」に任意の文章を入力します
- [保存] をタップします
テスト形式へ変更する
フォームの設定を変更すると、簡単にテスト形式のフォームへ切り替えることができます。テスト形式にして解答集を作成すると、回答に応じて自動で採点したり、回答に応じたフィードバックを表示する設定も可能です。また、テストのすべての回答についての概要が自動的に作成され、間違いの多かった質問や、平均点などを確認することができます。
詳しくはヘルプセンターの Google フォームでテストを作成、採点するをご覧ください。
スマホで手軽に Google フォームを活用しよう
Google フォームは、スマホのブラウザでも利用できるオンライン フォームの作成ツールです。参加フォームやアンケート、テスト機能を利用したクイズなど幅広い利用シーンに活用でき、フォームの作成から回答者への共有、回答の確認まですべてスマホで操作が可能です。
共同編集者を追加すると、複数人が同時にフォームを編集したり、回答を確認したりといった操作が可能になります。また、回答の集計結果はグラフでわかりやすくまとめたり、Google スプレッドシートに書き出すこともできます。
質問者も回答者もスマホ一つで手軽に利用できる Google フォームを活用してみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2024 年 5 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。