Pixel カメラの長時間露光とアクション パンとは
Google Pixel のカメラ アプリである Pixel カメラでは、さまざまな撮影モードが利用できます。その中でも「長時間露光」と「アクション パン」は動いている被写体の撮影に適しており、被写体や背景にぼかし効果を加えることで、通常モードとは異なる印象的な写真に仕上げることが可能です。
被写体にぼかしを加える「長時間露光」
長時間露光は、動いている被写体にぼかし効果を加えます。 Pixel カメラの通常モードで撮影した写真が左下で、長時間露光で撮影した写真が右下ですが、その違いは一目瞭然でしょう。
通常モードでの撮影はシャッターを切った瞬間しか捉えられないため、滝の水が止まっているかのような写真になります。一方、長時間露光はシャッタースピードを遅くして長い時間をかけて撮影するため、流れ落ちる水が線のような軌跡を描き美しい写真に仕上がります。
背景にぼかしを加える「アクション パン」
アクション パン(流し撮り)は、動いている被写体ではなく、その背景にぼかし効果を加えます。Pixel カメラの通常モードで撮影した写真が左下で、アクション パンで撮影した写真が右下ですが、印象が大きく異なるでしょう。
通常モードの撮影は全体にピントが合っているため、主役の鳥が特に目立つことはありません。一方、アクション パンの撮影では鳥にピントを合わせ、背景は流れるようにぶれているため、飛んでいる鳥が際立つだけでなくスピード感も強調されています。
簡単な操作で本格的な写真が撮影できる
長時間露光の写真は、カメラのシャッターを開いたまま時間をかけて撮影するため、本来であれば三脚などに固定してカメラが動かないようにしなければなりません。また、シャッタースピードの変更に伴って、絞り値や ISO 感度などの数値を適切に設定する知識も必要です。
一方、アクション パンのような写真は、被写体の動きを追うようにすばやくカメラを動かしたり、動く速さにあわせてシャッタースピードを調整したりといった、高度な撮影技術が求められます。
しかし、Pixel カメラを活用すれば、機材の準備はもちろん、撮影の技術や知識などは必要ありません。スマホ 1 台で手軽に被写体の動きを表現した写真の撮影が可能です。
長時間露光で被写体にぼかし効果を加えた写真を撮影する
ここでは、長時間露光を上手に撮影するためのポイントや Pixel カメラの操作方法、長時間露光に適した撮影シーンを紹介します。簡単な操作でプロのようなぼかし効果を加えられるので、被写体の動きを捉えた感動的な写真を撮影してみませんか。
長時間露光の撮影ポイントと手順
長時間露光を使って撮影するときに押さえておきたいポイントと操作の手順は、以下のとおりです。
【長時間露光で撮影するときのポイント】
- ぼかし効果を加えたい被写体にピントを合わせる
- 撮影中はスマホを動かさないようにする
- 撮影時間は被写体のサイズや動く速さによって変わることに注意する
【長時間露光の撮影手順】
- Pixel カメラを開きます
- [長時間露光] タブまでスクロールします(機種によっては [モーション] タブの中に [長時間露光] がある場合もあります)
- [長時間露光] をタップします
- 撮影ボタンをタップすると撮影が始まります
- 画面中央に白い点と円が表示されます。点が円から出ないよう注意して、スマホを動かさずに持ち続けます
- 撮影音が鳴ったら完了です
なお、撮影方法の説明を確認したい場合は、右上あるいは右下にある [?] をタップします。
長時間露光に適した撮影シーン
長時間露光は、被写体の動きや時間の経過を表現したいときに適しています。
たとえば、滝や川、海などを撮影すると、水の流れや波の動きが幾重にも重なり、なめらかな水の動きを表現できます。通行量の多い路上で撮影すると、動く人や車がぶれることで残像が写り込むような写真を撮影することが可能です。
また、夜景を長時間露光で撮影すると、光の軌跡が写り込み、通常とは一味違った写真になります。夜に走る車や電車などを被写体にすると、ランプが尾を引くような写真を撮影できるでしょう。
アクション パンでスピード感のある写真を撮影する
ここでは、アクション パンで上手に撮影するためのポイントや Pixel カメラの操作方法、アクション パンの効果を活かした撮影シーンを紹介します。コツをつかめば簡単に背景が流れるようなぼかし効果を加えられますので、躍動感のある印象的な写真を撮影してみませんか。
アクション パンの撮影ポイントと手順
アクション パンを使って撮影するときに押さえておきたいポイントと手順は、以下のとおりです。
【アクション パンで撮影するときのポイント】
- 動きのあるメインの被写体を一つ入れる
- 被写体が人物の場合は顔も映す
- カメラと被写体との間に、物や他の人物が写り込まないようにする
- 被写体が画角の大部分を占めた状態で撮影する
- キャプチャ アイコンをタップするまで 1 秒以上被写体を映す
【アクション パンの撮影手順】
- Google カメラを開きます
- [アクション パン] までスクロールします(機種によっては [モーション] タブの中に [アクション パン] がある場合もあります)
- [アクション パン] をタップします
- 被写体にカメラを向けます
- 被写体が写り込んで 1 秒程度経ってから撮影ボタンをタップします
なお、撮影方法の説明を確認したい場合は、右上あるいは右下にある [?] をタップしましょう。
アクション パンを活かした撮影シーン
アクション パンで撮影すると、カメラの近くで動く被写体のスピード感や躍動感を表現できます。背景が流れるようにぶれることで被写体が強調され、目を引く写真に仕上がります。
たとえば、電車や車などの乗り物を被写体にすると、目の前を通り過ぎていくときのスピード感が表現され、迫力のある写真が撮影できます。
他にも、走り回る子どもやペット、スポーツをする人などを撮影して躍動感のある写真に仕上げたいときも活用できるでしょう。
撮影した写真の確認方法
長時間露光やアクション パンで撮影した写真は Google フォトで確認できます。ぼかし効果が加わる前と後、 2 パターンの写真が自動で保存され、それぞれの閲覧や編集などが可能です。
Google フォトで撮影した写真を確認する手順は以下のとおりです。
- Google フォトを開きます
- 写真をタップして開きます
- 写真下部にあるサムネイルをタップすると、ぼかし効果あり / なしの 2 パターンの写真が確認できます
ぼかし効果が加わる前後 2 パターンの写真は、一枚のサムネイルにまとまっています。ぼかし効果が加わる前の写真データもアルバムに表示させたい場合は、その写真をエクスポートしましょう。
ぼかし効果が加わる前の写真をエクスポートする手順は以下のとおりです。
- 先ほどの手順で元の写真を表示させます
- [バースト] をタップします
- ぼかし効果が加わる前の写真を選択し、[この写真のみをエクスポート] をタップします
- 「エクスポートが完了しました」と表示されると完了です
長時間露光やアクション パンを使って躍動感のある写真を撮影しよう!
Pixel カメラの撮影モードである「長時間露光」や「アクション パン」は、動いている被写体の撮影に適しています。被写体や背景にぼかし効果が加わることで躍動感が生まれ、普段撮る写真とは雰囲気の違う写真を撮ることができます。
長時間露光では動いている被写体にぼかし効果を加え、急流や街の雑踏などを魅力的に表現することが可能です。
一方、アクション パンは、動いている被写体の背景に流れていくようなぼかし効果を加えられます。動きのある子どもや動物、乗り物などを撮影する際に活用すれば、スピード感のある写真に仕上がるでしょう。
撮影したい被写体やシーンに合わせて、撮影モードを切り替えて楽しんでみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2023 年 11 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。