本格的な写真編集ができる Snapseed とは
Snapseed は Google 製のアプリで、スマホで高度な写真編集ができます。 11 種類の「効果」と 28 種類の「ツール」を搭載しており、画像の濃淡やコントラストを調整する基本的な写真編集をはじめ、人物の表情に変化を加えるような本格的な写真加工も可能です。
たとえば、背景をぼかす「レンズぼかし」や不要なものを削除する「シミ除去」、2枚の写真を合成する「二重露出」などプロが行うような編集もできるため、自分が理想とする高いクオリティの写真を追及できます。
また、高度な編集をサポートする機能も充実。以下のように右上のアイコンを押すと加工前の画像を確認することができ、加工途中の写真と見比べながら仕上げられるなど、メリットが多数あります。
Snapseed の 6 つのメリット
本格的な写真加工が可能な Snapseed には、注目したい 6 つのメリットがあります。
ワンタップで写真の雰囲気を変えられる
Snapseed の「効果」は、11 種類のフィルタから好みのものをワンタップで選ぶだけです。簡単に写真の雰囲気を変えられるので、以下の写真のように [Portrait] [Smooth] [Pop] などから好みのフィルタをタップして選びましょう。
簡単なスライド操作で細やかな調整ができる
Snapseed には 28 種類 の「ツール」があり、それぞれ独自の写真加工ができるだけでなく、さらに編集メニューで加工具合を調整できます。編集メニューはスライダーを左右に動かすだけなので、直感的に操作できて便利です。
たとえば、 ツールの「画像調整」の編集メニューでは、[明るさ] [コントラスト] [彩度] [アンビアンス(光のバランスを調整する機能)] [ハイライト] [シャドウ] [色温度] の 7 つの項目があり、どれも簡単に調整できます。
[明るさ] を変えたい場合は、画面下部にある編集アイコン(左下の写真)をタップし、ポップアップされた編集メニューから [明るさ] を選び、画面上のスライダー(右下の写真)を左右に動かして、レベルを調整します。
カスタマイズした編集内容を保存できる
Snapseed の 28 種類 の「ツール」では、それぞれのツールで加工した編集内容に名前をつけて、「効果」のフィルタとして保存できます。この機能を活用すれば、他の写真も同じように仕上げたい場合に、保存したフィルタから選ぶだけなので便利でしょう。
なお、フィルタとして保存する手順は、[ツール] の各機能で編集を終えた後に完了アイコン(チェックマーク)をタップし、 [効果] をタップし、一番右端にある [追加アイコン(+)] をタップし、名前を記入して [保存] をタップします。
「ポートレート用」「風景写真用」など目的別に名前を付けて整理すると、同じ効果を利用したいときに分かりやすくなり便利でしょう。
AI のアルゴリズムによる自動補正機能
Snapseed は、不要な部分を簡単な操作で消せるツール「シミ除去」や、写真の角度変更によって画像が切れた部分を自然に補正するツール「射影変換」などがあります。これらのツールを使えば、より理想に近い写真に仕上げられるでしょう。シミ除去や射影変換については、後ほど詳しく解説します。
画像サイズや画質を変更できる
Snapseed では、画像サイズを 800 ピクセル、1366 ピクセル、1920 ピクセル、2000 ピクセル、4000 ピクセルに変更できます。画像の保存容量を減らしたいときや、SNS や写真プリントに使いたい場合など、さまざまな用途に応じたサイズ選びが可能です。
画面右上のその他アイコン(︙) → [設定] → [画像のサイズ調整] を順にタップすると、「画像のサイズ調整」(左下の写真)が表示されるので、希望のサイズを選択しましょう。
また、その他アイコン(︙) → [設定] → [形式と画質] を順にタップすると、「形式と画質」(右下の写真)が表示されるので、画像を共有・エクスポートする際の JPG の画質を 100%、95%、80% の 3 パターンの中から選ぶことができます。
RAW ファイルに対応
Snapseed は一般的な画像形式である JPG ファイルや PNG ファイルに加えて、RAW ファイルにも対応しています。RAW ファイルは、JPG やその他の画像ファイル形式と比べて、編集しても画質の劣化が少ないのが特徴です。
RAW ファイルは、主にデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラに採用されていますが、Google Pixel など一部の Android スマホでも保存できます。RAW ファイルの画像を劣化させずに加工したい場合は、Snapseed が役立つでしょう。
※ Google Pixel で RAW ファイルを保存する方法は、ヘルプセンターの Google Pixel のスマートフォンやタブレットで写真を編集するをご覧ください。
※以降に紹介する Snapseed の詳しい使い方は、Snapseed ヘルプ、もしくは Snapseed アプリ内のチュートリアルをご覧ください。
人物の顔を調整するツール
被写体が人物の場合に活用できる 2 種類のツールを紹介します。顔の向きや表情を変えたり、肌や瞳を調整できたり、さまざまな修正が可能です。
顔の向き
顔の向きアイコンをタップして画面を上下左右にドラッグすると、顔の向きを調整できます。写真を撮影した後で顔の向きを少し変えたいときに役立つでしょう。
また、編集メニューには [瞳孔サイズ] [スマイル] [レンズ焦点距離] という 3 つの項目があり、表情を調整したり、写真全体の印象を変えたりできます。
[瞳孔サイズ] は、黒目を大きくする加工ができます
[スマイル] は、口角を変更することが可能で、被写体の口角を上げて笑顔に変えたり、口角を下げて真剣な表情に変えたりできます
[レンズ焦点距離] を調整すると、広角レンズや望遠レンズで撮影したような印象の写真に仕上げられます
顔修正
顔修正ツールの編集メニューには、[顔を強調する] [肌を滑らかにする] [目をくっきりさせる] という 3 つの項目があり、それらを細かく調整することで顔の印象を変えられます。
[顔を強調する] は、顔と背景の明るさを調整し、顔を明るくして、より被写体の顔を引き立たせます
[肌を滑らかにする] は、自然な外観を保ちながら、肌の質感を滑らかにできます
[目をくっきりさせる] は、白目を明るくし、虹彩を強調して目をくっきりさせます
その他、タップするだけのプリセット メニューもあり、強調や滑らかなど 9 種類のパターンから選べるようになっています。また、肌の色合いも、青白い / 色白 / 普通 / 褐色の 4 種類から選択でき、簡単に変更可能です。
写真をレトロな雰囲気に変えるツール
どこか懐かしい雰囲気が漂うレトロな写真を作成できる、5 種類のツールを紹介します。いずれのツールも、使いたいスタイルをワンタップで選んだ後に、さらに編集メニューで自分好みの調整を行うことができます。
レトロラックス
写真をレトロな雰囲気に仕上げたいときは、レトロラックス ツールを使うとよいでしょう。
レトロラックス ツールでは、13 種類のレトロ風スタイルから好みのものをワンタップで選べるほか、同じスタイルのアイコンを複数回タップすると、タップするごとに光漏れなどの数値や反映場所がランダムに変わります。
また、編集メニューには [明るさ] [コントラスト] [彩度] [スタイルの強さ] [スクラッチ] [光漏れ] の 6 つの項目があり、スタイルをさらに加工することが可能です。たとえば、スクラッチを調整すると写真に傷や汚れを意図的に加えられ、まるで時を重ねたような雰囲気の写真になります。
粒状フィルム
リアルな粒状感を加えられる粒状フィルムツールを使うと、カラーフィルムで撮影した写真のような質感を再現できます。18 種類のスタイルから好みのものをワンタップで選択でき、さらに編集メニューで [粒子] [スタイルの強さ] という 2 つの項目を調整して効果を高めることが可能です。
フィルム写真特有のざらつきを再現したいときに使用するとよいでしょう。
モノクロ
写真をモノクロに加工したいときは、モノクロツールを使いましょう。6 種類から好きなスタイルをワンタップで選べて、カラーフィルタもかけられます。カラーフィルタは、ニュートラル / レッド / オレンジ / イエロー / グリーン / 青の 6 色から選択できます。
そのほか編集メニューで、[明るさ] [コントラスト] [粒子] という 3 つの項目を調整可能です。たとえば [粒子] のレベルを上げると粒子に粗さが加わり、ノスタルジックな印象の写真にアレンジできます。
ヴィンテージ
ヴィンテージ ツールを使うと、50 年代、60 年代、70 年代のカラーフィルムで撮影したような、時代がかったムードを演出できます。12 種類の中から好きなスタイルをワンタップで選択でき、ぼかし効果も加えられるほか、編集メニューで [明るさ] [彩度] [スタイルの強さ] [周辺減光の強さ] という 4 つの項目が調整可能です。
ノワール
白黒映画のような雰囲気に仕上げられるノワールツールは、14 種類のスタイルの中からワンタップで選択可能です。さらに編集メニューで [明るさ] [ウォッシュ] [粒子] [フィルタの強さ] という 4 つの項目を調整でき、たとえば [ウォッシュ] を加えると白黒写真のようなムードを再現できます。
一眼レフ写真のような仕上がりに加工するツール
Snapseed を使えば、一眼レフカメラで撮影した写真のような雰囲気に加工できます。写真のクオリティを上げたいときなどに役立つ、2 つのツールを紹介します。
レンズぼかし
写真の背景をぼかしたいときは、レンズぼかしツールを使うとよいでしょう。背景をぼかすことで被写体が際立つため、花を一輪だけ強調したい場合や、人物がメインの被写体であるポートレート写真を加工するときに役立ちます。
編集メニューで [ぼかしの強さ] [変化の緩やかさ] [周辺減光の強さ]という 3 つの項目を調整できるほか、ぼかしをかける範囲の調整も可能です。
HDR 風
HDR 風ツールを使うと、 HDR(ハイ ダイナミック レンジ)写真のような印象を生み出せます。HDR とは、露出(明るさ)が異なる複数の写真を撮影して合成し、被写体をより鮮明にする機能です。多重露出の効果を作り出すことで、印象的な写真に仕上げられます。
自然 / 人物 / 弱 / 強 の 4 種類から好みのスタイルを選択可能で、さらに編集メニューで [フィルタの強さ] [明るさ] [彩度]という 3 つの項目を調整できます。
たとえば、逆光で撮った写真に HDR 風ツールを利用すれば、暗く写ってしまった被写体を明るくできます。
プロのクリエイターが Android の魅力を語る。動画はこちらから。
プロが行うような写真編集をしたいときに役立つツール
Snapseed では、本格的な編集ソフトに近い加工もできます。プロが行うような高度な加工をしたいときに役立つ、5 つのツールを紹介します。
シミ除去
シミ除去ツールを使えば、たとえば夕焼けを強調するために消したい電線や、小さなちりといった不要なものなどを消去できます。消去したい部分を指でなぞるだけなので簡単です。SNS など にアップしたいグループ写真に、他の人が写りこんでいる場合にも使用できるでしょう。
アンクロップ
写真のサイズや比率を変えたいけれど、背景の大きさが足りない場合もあるでしょう。そのようなときはアンクロップ ツールを使うと、写真の背景を自由に延長することができます。
延長されたスペースの空白部分は、スマート / 白 / 黒の いずれかで塗りつぶすことが可能です。白は白、黒は黒の単色で塗りつぶすだけですが、 スマートは AI が写真の続きを自動的に補完するので自然な仕上がりになります。
射影変換
斜めに写った地平線や建物の角度を修正したいときには、射影変換ツールが役立ちます。射影変換は、ティルト / 回転 / サイズ変更 / フリーの 4 つのモードから選ぶことが可能です。被写体を上下または左右に回転したいときは、ティルトを使うとよいでしょう。
また、自動補正アイコンをタップすると、写真の歪みを簡単に補正できます。射影変換によって生じた写真の空白部分は、アンクロップ同様にスマート / 白 / 黒の 3 つから選んで自動補完が可能です。
ディテール
ディテール ツールを使えば、被写体の輪郭や質感をはっきりさせたり、滑らかにしたりできます。写真をよりシャープに見せたい場合や、被写体の存在感をより強調したいときに使うとよいでしょう。
ディテール ツールの編集メニューでは、 [ストラクチャ] [シャープ] という 2 つの項目を調整できます。
二重露出
Snapseed では二重露出ツールを使うと、2 枚の写真を組み合わせることができます。上の画像は、下の 2 枚の写真を二重露出ツールを使って組み合わせた例です。
背景に別の写真を合成したい場合に、二重露出ツールが役立つでしょう。
デフォルト / 明るく / 暗く / 加算 / 減算 / オーバーレイの 6 種類のスタイルが用意されており、それぞれ異なった雰囲気の合成に仕上がるので、新しい写真を作り出すような感覚を楽しめるかもしれません。また、組み合わせた写真の透明度も変更可能です。
Snapseed でプロが撮影したような写真に仕上げよう
Snapseed は、簡単な操作で本格的な写真加工ができる Google 製のアプリです。 RAW 形式に対応しているため画質を保ったまま写真加工できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、28 種類のツールと 11 種類の 効果を搭載し、顔の向きの調整やシミ除去、二重露出など、特別な知識がなくても本格的な写真に仕上げられるのも特徴です。写真をレトロな雰囲気に仕上げたい場合は、レトロラックスやモノクロなどのツールを利用するとよいでしょう。
さらに、加工前と加工後の比較が簡単にでき、高度な調整も可能なので、よりイメージに近い写真に仕上げられます。Snapseed を使って、プロが撮影したような写真に加工してみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2023 年 8 月時点に Google Pixel 6(Android 13)で検証しました。