アスペクト比とは?
アスペクト比とは、画像や画面における横と縦の長さの比率のことで、一般的に「横 : 縦」で示されます。スマホのカメラを使った撮影や写真アプリでの加工の際は、主に「1:1」、「4:3」、「16:9」などの比率から選ぶことができます。
他にも、縦を 1 として「1:1.5」のように表記したり、横と縦の画素数で「1280 × 720 ピクセル(px)」のように表記するケースもあります。
なお、スマホにプリインストールされているカメラアプリで選べるアスペクト比は、機種によって異なります。
ちなみにアスペクト比は画像の横と縦の比率を示すもので、画質を決める要素ではありません。
アスペクト比の調整が役立つ場面
普段の写真とは違った印象に仕上げたいときは、アスペクト比を調整してみましょう。構図に変化をもたらしたり、よりクリエイティブな表現になるかもしれません。Google フォトなどの写真アプリを使えば、撮影後でもアスペクト比を変更することが可能です。
また、撮影した写真を SNS に投稿したり、プリントしたりする際も、アスペクト比の調整が役立ちます。媒体によってそれぞれ適切なアスペクト比があるので、あらかじめ調整しておくとよいでしょう。
主なアスペクト比の特徴
ここからは、SNS の投稿写真に多く見られる比率や、ポストカード向きの比率など、一般的によく使われているアスペクト比を紹介します。撮影した写真の使い道に合わせてアスペクト比を調整するとよいでしょう。
なお、ここで紹介する例はすべて同じ写真を用い、アスペクト比のみを Google フォト アプリで調整しています。Google フォト アプリを使った編集方法は後ほど紹介しますので、参考にしてみてください。
1:1(正方形)
こちらはアスペクト比 1:1 の写真で、横と縦の長さが等しい正方形になっています。SNS の投稿写真などに多く見られ、ウェブサイトや SNS のプロフィール写真でも推奨されることの多い比率です。
5:4
こちらはアスペクト比 5:4 の写真で、やや横長の画像です。フィルムカメラでよく使われる六つ切サイズと同じ比率で、記念写真のプリントなどに適しているでしょう。
縦向きに回転させると 4:5 となり、やや縦長の画像になります。このアスペクト比は一部の SNS で縦長の写真を投稿する場合に推奨されています。
4:3
こちらはアスペクト比 4:3 の写真で、5:4 より横長の画像になります。スマホやコンパクト デジタルカメラの標準的な比率で、ほとんどのスマホでデフォルトに設定されています。
「DSC(デジタル スチル カメラサイズ)」と同じ比率であるため、カメラ店などにある DSC を指定できるプリンターであれば、スマホで撮影した写真を見切れることなく印刷できます。
3:2
こちらはアスペクト比 3:2 の写真で、5:4 や 4:3 より横長の画像です。人間の視野に近いとされ、デジタル一眼レフカメラなどでよく使われています。
写真プリントの標準サイズである L サイズ(L 判)に近い比率であるため、スマホで撮影した写真を手軽にコンビニなどでプリントする際は、このアスペクト比に調整するとよいでしょう。
また、ハガキにも近い比率であり、ポストカードや年賀状の印刷にも適しています。
16:9
こちらはアスペクト比 16:9 の写真で、かなりワイドな画像です。
デジタルテレビやパソコン用モニターに多く使われているため、動画の視聴や撮影の際によく用いられます。YouTube に投稿されている動画も、ほとんどがこのアスペクト比です。
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アスペクト比を生かした撮影例
ここからは、それぞれのアスペクト比の特徴を生かした撮影例 ※1 を紹介します。どのような雰囲気の写真を撮影したいかによって、アスペクト比を選ぶとよいでしょう。
※1 Google Pixel で撮影し、Google フォトの編集機能でアスペクト比を調整しています。
1:1(正方形)
アスペクト比 1:1 で撮影すると、背景の情報が抑えられ、メインの被写体を際立たせることができます。写真中央にメインの被写体を配置するだけで、主題が伝わりやすくなります。カメラ撮影に不慣れな方でも扱いやすいアスペクト比といえるでしょう。
5:4
アスペクト比 5:4 での撮影は、 1:1 の写真のようなインパクトのある印象は残しつつ、横幅がやや広くなるため、工夫の幅も広がるでしょう。
また、5:4 を縦向きに回転させた 4:5 のアスペクト比は、ポートレート(肖像写真)の撮影に向いています。背景部分よりもメインの被写体に注目を集める効果があります。
4:3
アスペクト比 4:3 は、一般的なスマホでデフォルトの比率です。メインの被写体や背景などをバランスよく納めることができ、まとまった印象の写真に仕上げられます。
3:2
アスペクト比 3:2 は、人間の視野に近いため、自然に撮影しやすい比率です。この写真のように、メインの被写体である松の木と沈んでゆく太陽という、主題と副題がある複雑な構図でも決まりやすくなります。
16:9
16:9 は横に広いアスペクト比のため、広々とした空間や景色の撮影に適しているでしょう。空や雄大な自然はもちろん、ビル群や街の風景などをダイナミックに切り取ることもできます。
撮影時にカメラアプリで写真の比率を選んでみよう
多くのスマホのカメラアプリには、アスペクト比を変更する機能が備わっています。 Google Pixel シリーズで使える「Google カメラ」の場合、「画像全体(4:3)」と「ワイドクロップ(16:9)」の 2 種類から選択できます。Google カメラでアスペクト比を変更する方法は以下の通りです。
【Google カメラアプリで比率を選択する方法】
- カメラアプリを開きます
- 左上の設定アイコンをタップしメニューを開きます
- 下図の比率の項目で、写真の比率を選びます
被写体に合わせてアスペクト比を調整するだけでも写真表現の幅は広がりますが、さらに本格的な写真を撮りたい場合、Google カメラの「グリッド機能」を使うとよいでしょう。グリッドとは撮影画面に格子状に表示される補助線のことで、被写体の構図を決める際に役立ちます。
撮影後に Google フォトなどの写真アプリで写真の比率を変えてみよう
スマホのカメラで撮影した写真のアスペクト比を変更するときは、Google フォトなどの写真アプリを活用してみましょう。
【Google フォト アプリでアスペクト比を変更する方法】
- Google フォト アプリを開きます
- 編集したい画像を選びます
- [編集] をタップします
- [切り抜き] をタップします
- アスペクト比アイコンをタップします
- 変更したいアスペクト比を選び、切り抜く範囲を選択します
上の画像は、選択した 16:9 のアスペクト比に合わせて写真を切り抜く様子です。自然の雄大さを表現するために横幅の広い比率を選択し、草原を写した部分が大きくなるよう切り抜きました。
写真を好みの形状に切り抜きたい場合は、手順 6 で [フリー] を選ぶと、比率を細かく調整することができます。
また、手順 6 でアスペクト比を選択した後に再度アスペクト比アイコンをタップすると、 [縦向きに回転] が表示され、縦長の画像に変えられます(元の写真が縦長であれば、[横向きに回転] と表示され、横長の画像に変えられます)。
たとえば、16:9 の横長の画像を縦向きに回転させると 9:16 の縦長の画像になり、その逆も可能です。
他にも、Google フォト アプリにはさまざまな画像編集の機能があります。画像編集の機能については、下記の記事で詳しく紹介しています。
撮影シーンや写真の活用方法に合わせてアスペクト比を調整しよう
被写体や構図が同じ写真でもアスペクト比を変えるだけで、見る人の印象は変化します。撮影シーンや表現したいイメージに合わせてアスペクト比を調整するとよいでしょう。
また、 SNS への投稿や写真プリントなど、撮影した写真をどのような目的で使うかに応じてアスペクト比を調整してみてください。
アスペクト比の変更は撮影時だけでなく、撮影後も Google フォトなどの写真アプリを使って行うことができます。本記事の内容を参考にして、写真表現の幅をさらに広げてみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2023 年 7 月時点に Google Pixel 6(Android 13)で検証しました。