格安 SIM カードとは
近年では、SIM カードと呼ばれるスマホやタブレットなどに挿入して使用する IC チップを搭載したカードが普及しています。リーズナブルに通話やインターネットを使えるサービスを格安 SIM と呼びますが、この格安SIM で利用されているのが格安 SIM カードです。
格安 SIM の契約が完了すると SIM カードが手に入るため、SIM フリーのスマホに挿入して使用します。
SIM フリーとは、特定の携帯電話会社での利用に限定された状態である「SIM ロック」がかかっていないスマホです。
格安 SIM は MVNO と呼ばれる事業者によって提供されていることが多く、各社で特徴のあるサービスを提供しています。
MVNO とは
通信網を他の企業から借りて通信サービスを提供する企業を MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)と呼びます。大手家電量販店やインターネット サービス プロバイダーなど多くの企業が MVNO としてサービスを提供しています。
格安 SIM カードの種類とは
格安 SIM カードには、「通話機能つき SIM カード」と「データ通信専用 SIM カード」の 2 種類があります。
データ通信専用 SIM カード
データ通信専用 SIM カードは、インターネットは使用できますが通話はできないタイプで、料金は安めに設定されています。
近年では通話機能のついたスマホアプリも多く登場しているため、データ通信専用 SIM カードを選ぶ人も多くなっています。
通話機能つき SIM カード
通話機能つき SIM カードは、インターネットだけではなく音声通話も可能なタイプで、データ通信専用のタイプよりも料金が高めに設定されています。MNP(携帯電話番号ポータビリティ)に対応しているプランであれば、スマホの電話番号を引き継げます。
格安 SIM を利用するメリット
ここからは格安 SIM を利用するメリットについてみていきましょう。
さまざまなプランがある
格安 SIM を提供する MVNO の月額プランは大手通信キャリアと比べて安く、その費用は年間数万円の差になることもあります。特に通話をしない人であれば、データ通信専用の格安 SIM にすることで料金を大きく節約できるでしょう。
また大手通信キャリアには従量制と定額制の 2 つしかプランがないことが多いですが、格安 SIM であれば自分の使用量に応じた通信容量プランを選択できます。
柔軟な利用期間
大手通信キャリアは利用期間に縛りがあることが多く、その期間は 2 年で設定されていることがほとんどです。契約から 2 年以内に解約してしまうと、多くの場合、違約金が発生します。
しかし格安 SIM のデータ通信専用 SIM カードであれば、利用期間に縛りがないサービスが多いです。格安 SIMの通話機能つき SIM カードであっても半年~1 年の縛りで、その後は解約の違約金はかからないことがほとんどです。
格安 SIM スマホを同時購入すると特典がつくことも
大手通信キャリアと同様に、格安 SIM を提供する事業者でスマホを販売しているところもあります。格安 SIM と扱っているスマホを同時に契約・購入すると、さまざまな特典が受けられる場合があります。
各社でキャンペーンを展開していることもあるため、気になる格安 SIM サービスがあれば一度調べてみるとよいでしょう。
格安 SIM を利用するデメリット
格安 SIM のメリットだけではなく、デメリットもあわせてみていきましょう。
回線品質が悪くなることもある
格安 SIM の多くは大手通信キャリアの MVNO 回線を借りてサービスを提供しており、複数の MVNO が同じ回線を使用しています。通勤時間帯やお昼休みなどの回線が混み合う時間帯でのダウンロードに時間がかかる、チャットやメッセージアプリの通話機能では通話用の帯域制御がなされていないこともあり通話が途切れがちになる、などが発生する可能性はあります。
保証が切れる
大手通信キャリアと契約していた際のスマホをそのまま利用する場合、大手通信キャリアが提供している端末保証がなくなります。スマホやタブレットのメーカー保証のみになるので注意しましょう。
サポートは電話やメールが中心になる
格安 SIM の企業は大手通信キャリアのように店舗が多くありません。そのため格安 SIM は実店舗でサポートを受けにくく、電話やメールでサポートを受けることがほとんどです。
初期設定などはマニュアルをみながら自分で実施することになります。
キャリア独自のメールアドレス(MMS)が使えなくなる可能性がある
格安 SIM を利用する場合、キャリア独自のメールアドレス(MMS)が使えなくなる可能性があります。そのため、普段から MMS を使っている方は、Gmail などのフリーメールアドレスや SNS などに切り替えるなどの対処が必要です。
※ 一部キャリアでは、格安 SIM でも MMS を使える場合があります。
格安 SIM の選び方は
続いて、格安 SIM の選び方についてみていきましょう。
通信データ量で選ぶ
格安 SIM にはさまざまなプランが存在しますが、データ量に関わるプランに着目してみましょう。格安 SIM には通信データの制限があるプランも存在します。規定のデータ通信量を超えると自動的に通信が制限されて通信速度が落ちますが、規定の月額料金以上には費用はかかりません。
また、規定のデータ通信量を超えても通信制限がかからずに、一定の額まで料金があがっていくプランもあります。自分が毎月どの程度データ通信しているかを把握したうえでプランを選択しましょう。
プランのオプションで選ぶ
格安 SIM のプランには、魅力的なオプションがついてくるものもあります。例えばオプションの中には、指定の動画・音声サービスであれば、いくら視聴してもデータ通信量がカウントされないといったものもあります。動画や音楽をよく視聴する人には嬉しいプランです。
対象のアプリであればデータ通信量を 90% 以上減らすことのできるオプションを備えているプランもあります。対象アプリにはゲームも入っているので、ゲームをたくさんプレイする方にはおすすめのプランです。
格安 SIM を使って快適なスマホ・タブレット ライフを
格安 SIM とは、SIM カードという IC チップを搭載したカードをスマホやタブレットなどに挿入し、安く通話やインターネットを使えるサービスです。
格安 SIM を提供する MVNO を利用することで、安いプランや柔軟な利用期間などのメリットがあります。反面、大手通信キャリアのキャリア独自のメールアドレスが使えない、対面でのサポートが受けにくいなどといったデメリットもあります。
格安 SIM の事業者ごとのプラン内容を確認して選択し、リーズナブルで快適なスマホ・タブレット ライフを送りましょう。
※ 本記事で紹介した内容は、一部ご利用になれないデバイスなどもあります。本製品またはその一部の機能などを利用できるかどうかは OEM およびデバイス メーカーによって異なります。
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