Android で指紋認証を使う場面
指紋認証とは、センサーに手の指紋を読み込ませることで本人確認ができる機能のことです。指紋認証が使われる場面についてみていきましょう。
画面のロックを解除するとき
Android デバイスは、第三者が勝手にデバイスを操作できないように画面をロックできます。この画面ロックを解除する方法として指紋認証が使われます。従来のパスワードなどによるロック解除に比べると、指紋認証は手間が省けます。また、登録された指紋でしかロックを解除できないので第三者に不正な操作をされにくいなどのメリットがあります。
アプリで支払いをするとき
Android デバイスは、クレジットカード情報を Google Pay に登録することで、Web サイトやアプリでの支払い時に必要な登録情報を呼びだせます。この登録したカード情報を呼びだすときに指紋認証が使えます。カードの不正利用の防止力を高める効果が期待できるでしょう。
アプリを起動するとき
メッセージアプリや銀行口座のアプリなど情報保護が必要なアプリを起動するとき、本人確認のために指紋認証が使われます。メッセージアプリなど頻繁に使うことが多いアプリでは、パスワードによる本人確認だと、起動のたびにパスワードを入力する手間が生じます。指紋認証を利用すると、入力の手間が省けて不正利用を防ぐ効果も高められるでしょう。アプリによってはパスワードの入力を省略できますが、手間が省ける一方で不正利用されるリスクが大きくなります。
Android で指紋認証を使うメリット
Android デバイスで指紋認証を使うメリットをみていきましょう。
登録した指紋でしか認証できないので不正利用の防止効果が高い
指紋認証を使うと登録した指紋でしか認証できません。そのため、第三者にロック解除されるなどの不正利用のリスクをパスワードなどによる認証よりも軽減できるといったメリットがあります。
同じ生体認証の顔認証より環境に左右されにくい
生体認証には指紋認証以外に顔認証があります。一般的に顔認証ではマスクを外さないと認証できませんが、指紋認証ではマスクをしているような場面でも利用が可能です。また、顔認証は暗い場所では認証できないこともありますが、指紋認証は暗くても認証が可能です。さまざまな場面で利用しやすいのが指紋認証のメリットだといえるでしょう。
パスワードを記憶しておく必要がない
パスワード認証で不正利用を防ぐには、複雑な文字列で桁数を多くしてそのパスワードをしっかり覚えておく必要があります。しかし、指紋認証であればパスワードを記憶しなくてもよいのです。
スピーディに認証できる
パスワード入力などよりも、指紋認証はセンサーに指を載せるだけで認証が済むので、スピーディです。1日に何度も認証が必要な使い方をしている場合、指紋認証によるメリットを感じられるでしょう。
Android ユーザーが Android の魅力を語る。実際に Android の指紋認証を使ってみた感想もこちらの動画から。
Android で使える指紋認証以外の認証方法と特徴
指紋認証以外の Android デバイスで使える認証方法を紹介します。主に画面のロックを解除するときなどに利用します。
※認証方法の一部は、Android 10 以降でのみ利用できます。
パターンによる認証
指で描いた線のパターンで認証する方法です。覚えやすいだけでなく、ソフトウェアキーボードをタップすることなく認証できるといった特徴があります。一方、パターンは他人に覗き見されたときに、暗記されやすいといったデメリットも考えられます。
PIN コード による認証
PIN は4桁以上の数字を入力することで認証する方法です。桁数が多くなればなるほどセキュリティは強固になりますが、認証のたびに入力が必要です。また、設定する PIN によっては指の移動範囲も増えてしまい、利便性とセキュリティ向上の両立が難しい認証方法だともいえるでしょう。
パスワードによる認証
4文字以上の英数字を入力して認証する方法です。複雑なパスワードを設定すれば高いセキュリティ強度が保てるものの、やはり入力をする手間や覚えておかなければならないといった点がデメリットだといえるかもしれません
顔認証
顔認証は指紋認証と同じく生体認証という種類に属し、登録した人しか解除できないといった特徴があります。顔認証についてはいくつか注意点がありますので、後ほどご紹介します。
Android で生体認証を使うときの注意点
Android スマホなどによって使える生体認証は、指紋認証だけでなく顔認証もあります。それらの生体認証を使うときの注意点について紹介します。
指紋認証の注意点
指紋認証の注意点としては、意図せず自分の指紋が使われてしまうというリスクが挙げられます。たとえば就寝中に、誰かが自分の指にデバイスの認証センサーをあてがえばロックが解除されてしまうかもしれません。もちろん指紋認証ではしっかりとセンサーに指を当てなければ認証はされませんので、解除されてしまう前に目覚めることも考えられますが、リスクについては認識しておく必要があるでしょう。
他にも、登録した指紋に水分や油分が付着したり、切り傷などで損傷してしまったりした場合、認証しにくくなるという注意点も挙げられます。この場合、指紋認証ができなくても別途パスワードを設定しておけば、パスワードで解除することができます。また、ほかの指でも認証できるよう、複数の指紋を登録しておくと良いでしょう。
顔認証の注意点
顔認証の注意点は、いつでもどこでも認証に使えるわけではない点です。外出時にマスクをしていれば、顔認証は一般的に使えません。また、就寝前の暗い部屋ではうまく認証ができない可能性があります。なお、顔認証を使うときは、顔認証とは別にパスワードや PIN コードを設定するため、顔認証ができなくてもロックの解除が可能です。
指紋認証の登録方法
Android スマホの指紋認証登録方法について、Google Pixel 6 および Google Pixel 6 Pro を例にご紹介します。
使用しているデバイスによって異なる点もあるかもしれませんが、参考にしてみてください。
- スマホの設定アプリを開きます。
- [セキュリティ] → [指紋認証] をタップします。
- 画面に表示される手順に沿って操作します。デバイスに画面ロックを設定していない場合は、デバイスのロック解除に使用する予備の PIN、パターン、またはパスワードを追加するよう求められます。
- 1 つ目の指紋のスキャンを行います。
- 指紋認証センサーは、スマホのディスプレイの下部にあります。指を指紋アイコンに当て、指紋認証センサーが点灯し、振動するのを待ちます。
- その指で画面をしっかり長押しします。まず、指の中心をセンサーに当てます。手順に沿って、指の位置を合わせて、指紋の端と先端をスキャンします。
Google Pixel 6、Google Pixel 6 Pro 以外の Google Pixel シリーズの Android スマホを使っている場合は、こちらをご覧ください。
指紋の使用方法
登録した指紋でロック画面を解除するためには、スマホのロック画面でデバイスのセンサーに登録した指をあてる必要があります。この際、認証までに時間がかかることもありますので、ロック解除まで指を押し当て続けるようにしましょう。また、何回指を押し当てても認証されない場合は、指紋登録時に設定されている予備の PIN・パターン・パスワードを使ってロック解除ができます。どうしても登録した指紋で解除できないのであれば、別の指紋の登録を検討してみてください。
指紋認証を無効にする方法
指紋認証を無効にしたいときは、以下の2つの方法があります。
【認証方法を PIN・パターン・パスワードに変更したい場合】
- スマホの設定アプリを開きます。
- [セキュリティ] をタップします。
- [指紋のロック解除] または [ Pixel Imprint] をタップします。
- 指紋をスキャンするか、PIN、パターン、またはパスワードを使用します。
- 指紋の横にある削除アイコン 削除 をタップします。これをすべての指紋で繰り返します。
【画面ロック解除の認証をすべて無効にしたい場合】
- スマホの設定アプリを開きます。
- [セキュリティ] → [画面ロック] をタップします。
- [なし] または [スワイプ] を選択します。指紋が削除されます。
指紋が認証されない場合の対処方法
Android スマホに搭載されている指紋認証センサーでは、まれに指紋が認証されないこともあります。ここでは、登録している指紋が認証されない場合の対処方法についてご紹介します。
指紋が認証されない場合
何度試しても指紋が承認されない場合は、予備として設定している PIN・パターン・パスワードで認証をしましょう。もし PIN・パターン・パスワードを忘れてしまった場合は、 こちら で紹介している方法でスマホのデータを削除する必要があるかもしれません。上記の方法で画面ロックを解除できたら、登録している指紋を変更するか、複数の指紋を新規で登録しましょう。
画面ロックが無効になっている場合
使っている Android スマホがビジネス用のものだと、会社の管理体制によって PIN、パターン、パスワードでしか認証できないように設定されていることがあります。この場合は指紋認証による画面ロック解除ができませんので、指紋の設定ページに「画面ロックの設定が無効になっています」と表示されます。対処方法としては、会社の携帯端末を管理している部門などに問い合わせ、指紋認証によるロック解除を有効にできるかを相談してみることが考えられます。
指紋認証が機能しない場合 ~Google Pixel 6・Google Pixel 6 Pro の場合~
指紋認証そのものが機能しない場合、状況別の対処方法は以下のとおりです。
※Google Pixel 6 と Google Pixel 6 Pro で指紋認証が機能しない例をご紹介しています。また、デバイスによって手順が異なる場合があります。
【屋外で日差しが強い場合】
指紋認証センサーを指で覆うようにして長押しすることで認証される可能性が高まります。
【スリープ状態のスマホで指紋認証が利用できない場合】
- 設定アプリを開きます。
- [ディスプレイ] → [ロック画面] をタップします。
- [時間と情報を常に表示] をオンにします。これにより、スリープ状態でも常に指紋認証センサーが画面に表示されるようになります。
【画面保護フィルムによる問題】
画面保護フィルムを使っている場合、画面に内蔵された指紋センサーがうまく反応しない可能性があります。
フィルムを Made for Google 認定のものに張り替えるか、フィルムをはがして利用することで認証性能が改善するかもしれません。
【その他、試しておきたい方法】
上記の方法でも解決しない場合は、次の方法を試してみてください。
- Android を最新バージョンに更新する
- ロック解除されるまで指紋認証センサーに指を押し当て続ける
- ディスプレイや指紋認証センサーを清潔にする
- 登録した指紋を押し当てているかを確認する
- 指が乾燥していると認証できない可能性があるので、適度に湿らせる
上記の方法でも指紋認証が行えないときは指紋を再登録してみましょう。
Android の指紋認証を使ってより便利にスマホを活用しよう
Android の指紋認証を活用することで、日常的なデバイスの利用がより便利になるかもしれません。注意点についても正しく理解し、Android スマホの指紋認証を活用しましょう。
※本記事で紹介した内容は、一部ご利用になれないデバイスなどもあります。本製品、またはその一部の機能などを利用できるかどうかは、OEM およびデバイスメーカーによって異なります。
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