写真加工アプリとは
写真加工アプリとは、その名のとおり写真にさまざまな加工ができるアプリです。従来の写真加工はパソコンで専用ソフトを活用するのが一般的でしたが、最近は高機能なスマホ用の写真加工アプリが多くリリースされています。
ただし、写真加工アプリは万能ではなく、アプリによって機能や特徴が異なります。ここでは適切なアプリを選べるよう、写真加工アプリのさまざまな機能について利用シーンごとに紹介します。
手軽に写真をきれいにしたい場合
「写真をもっと明るくしたいけど、方法がわからない」「きれいで雰囲気のある写真にしたいけど、どのアプリを使えばいいんだろう」と思ったことはありませんか。機能が豊富なアプリは、操作が複雑な場合もあります。写真加工に慣れないうちは、各操作でどのような加工ができるのかわからないこともあるでしょう。
できるだけ手軽に写真をきれいにしたい場合は、ある程度自動で加工してくれるアプリを選択してみてはいかがでしょうか。たとえば、写真の明るさや色彩を自動で補正してくれる機能(自動補正機能)や写真全体の色合いを変える機能(フィルタ機能)が搭載されているアプリの場合、操作手順が比較的少ないため、気軽に写真加工ができるかもしれません。
自動補正機能とフィルタ機能について、詳しくみてみましょう。
自動補正機能
自動補正機能を搭載した写真加工アプリは、光や色彩をある程度自動で調整できます。たとえば、光が少なく写真が暗い場合、適度な明るさに変更が可能です。また色彩についても、より見やすい状態へ自動的に補正してくれます。
自動補正機能は、操作する人が細かい設定をする必要がありません。多くの場合ワンタップで自動的に加工してくれるため、すぐに使えて便利でしょう。
フィルタ機能
多くの写真加工アプリに搭載されているフィルタ機能を使えば、写真全体の色合いを手軽に変更できます。フィルタの種類はアプリによって異なり、肌をきれいに見せられるものやビビッドな色合いに変えられるもの、レトロ風やモノクロ写真風に加工できるものなどがあります。
基本的に好みのフィルタを選ぶだけで加工できるため、手軽に写真の雰囲気を変えることができるでしょう。
写真を飾り付けたい場合
アプリによっては、写真にフレームやスタンプ、文字などを貼り付けられます。さまざまなアレンジを加えることができるので、SNS などで「映える」写真に仕上げられるでしょう。ここでは、写真を飾りつけるときに役立つ機能を紹介します。
フレーム機能
フレーム機能とは、写真にフレーム(飾り枠)を貼り付けるものです。アプリによっては、雑誌の表紙風や花柄のフレームなど多くの種類があります。フレームをつけることで、写真の雰囲気を変えたり、SNS への投稿やポストカードへの印刷の際に、より華やかに仕上げることができます。また、複数枚の写真を加工するときに同じフレームを使えば、統一感を出せるでしょう。
スタンプ機能
動物柄やカラフルな文字などのかわいいスタンプを写真に貼り付ければ、楽しい雰囲気を伝えられます。また、アプリによっては日付をスタンプとして貼りつけられるものもあり、撮影した日付や時間を手軽に入れられます。写真をより華やかにデコレーションしたいときや日付をおしゃれに入れたいときなどに役立つ機能といえるでしょう。
文字入力機能
文字入力機能を使うことで、写真に文字(テキスト)を貼り付けられます。写真に複数の人が写っているときに文字で名前を入れたり、説明文を入れたりすることで、より多くの情報を伝えられるかもしれません。また、大きく加工した文字を使用すれば、目を引く写真になるでしょう。
不要なものを処理したい場合
せっかく綺麗な写真が撮れても、電線や塵など不要なものが写りこむ場合があります。そのようなときは、不要なものを処理できる機能を使えば、写真をすっきりとした印象に仕上げられます。
また、SNS などで自分の写真を公開する際に、写真から個人情報を消したい場合もあるのではないでしょうか。ここでは、背景をきれいにしたい場合や個人情報を見せたくない場合に役立つ機能を紹介します。
消しゴム機能で処理する
多くの写真加工アプリには「消しゴム」と呼ばれる機能があります。処理する対象の指定や範囲を選択することで、写真に写っている不要なものを消すことができます。主に背景に写り込んでしまったものを消すときに役立つでしょう。写真をスッキリさせたいときに使いたい機能です。
モザイク機能で処理する
モザイク機能を使えば、画像内の表示したくない部分を複数の正方形でモザイク状に塗りつぶすことができます。塗りつぶす正方形のサイズを大きくすれば、隠したい部分がより不鮮明になりますが、大きすぎると不自然な印象を与えることにもつながります。
顔や個人情報などをモザイク機能で隠したい場合は、加工する部分や程度に合わせて正方形の大きさを調整するとよいでしょう。
ぼかし機能で処理する
ぼかし機能は、ぼかしたい部分の色を平均化することで不鮮明にします。たとえば写真に写り込んだ人の顔をぼかしたいときや、住所の特定を防ぐために周囲の風景をぼかしたいときなどに便利でしょう。
スタンプ機能で処理する
「写真を飾り付けしたい場合」で紹介したスタンプ機能でも、不要なものを隠せます。隠したい部分の上にかわいいスタンプを貼り付ければ、写真を華やかな雰囲気にしつつ、見せたくないものを隠せるでしょう。目の部分にサングラスのスタンプを貼り付けて個人を特定できないようにする、というような使い方もできます。
本格的に写真を加工したい場合
本格派の写真加工アプリに搭載されている、写真を細かく補正できる機能を使えば、写真がよりきれいに仕上がるでしょう。部分的に明るくしたい、顔の輪郭をすっきりさせたいなどの加工も可能です。具体的にどのような加工ができるのかをみてみましょう。
人物に関する加工
肌をきれいに見せたり、肌の色を好みのものに加工できたりする機能を搭載したアプリもあります。また、輪郭の調整や目を大きくするなど、顔のパーツを理想の形に近づけられる機能もあります。アプリによってはメイクをしたような加工もできるため、人物の印象を変化させることができます。
また、自分の顔をイラスト調のベビー フェイスにする、キラキラさせるなど SNS での「映え」を狙える機能を搭載したアプリもあります。
背景をぼかす
写真の背景をぼかせば、主役がより際立ちます。主役がはっきりすることで「写真を通して何を伝えたいのか」がわかりやすくなるため、よりテーマ性の高い写真になるといえるでしょう。アプリの機能によっては、周囲の背景を幻想的にぼかすことができるため、アーティスティックな加工にも利用できます。
手動で写真の色を調整
写真の色の鮮やかさ(彩度)や明度の差(コントラスト)、温かさや冷たさの色味(色温度)などを手動で調整できるアプリもあります。たとえば温かい料理の写真は暖色系(赤っぽい色)に、寒そうな景色は寒色系(青っぽい色)に色温度を調整すれば、より空気感が伝わるはずです。自動ではなく手動で細かく調整できるため、自分の思い描く理想の写真に近づけられるでしょう。
背景の合成
アプリによっては、背景を透明に加工できるものもあります。人物の写った写真の背景を透明にして、他の風景写真と組み合わせれば、別の場所で撮られた写真のように見せることも可能です。変更した後は背景と人物が馴染むように、彩度や色調などを調整するとよいでしょう。
その他の加工
ここまで紹介した機能以外にも、画像の切り抜き(トリミング)や画像の回転、複数の写真を一つにまとめる機能(コラージュ)などがあります。本格的に写真を加工したい場合は一つの加工だけでなく、複数の加工を組み合わせるのが効果的です。
まずは自分が「どのような写真にしたいのか」を考えて、それに合う加工方法を組み合わせるとよいでしょう。
使いやすい写真加工アプリ
写真加工アプリの機能について解説してきました。Android スマホに標準搭載されている Google Play ストアでは、さまざまな種類の写真加工アプリがリリースされています。これまでの解説を参考に写真加工アプリを選んでみてはいかがでしょうか。
ここでは一例として、無料で使用できる Google フォトと Snapseed についてお伝えしていきます。
Google フォト
Google フォトには、「切り抜き」「ポートレート ライト」「ぼかし」「消しゴムマジック」「調整」「フィルタ」などの豊富な機能が備わっており、基本的な写真加工が一通り行えます。※
「調整」機能は、明るさやコントラスト、色合いなどの程度を手動で細かく調整できます。「ポートレート ライト」は、4 人以下の上半身ショットで利用できる、人物の写真の明るさを調整できる機能です。
また、Google フォトには編集する写真の種類を自動で判別し、編集オプションを提案してくれる「候補」という機能があります。
手動で細かい調整をするのが苦手という方は、この「候補」やワンタップでおしゃれな写真になる「フィルタ」の機能を利用してみるとよいでしょう。
※ポートレート ライト、ぼかし、消しゴムマジック、調整機能の一部は、Google One メンバーまたは Google Pixel をお使いのユーザーのみにご利用いただけます(お使いのデバイスに 3 GB 以上の RAM と Android 8.0 以降が搭載されている必要があります)。
Snapseed
Snapseed は、本格的な写真加工ができるアプリです。フィルタやフレームなどの基本的な機能はもちろん、色温度やぼかしなどに関しても手動で細かく調整できます。
さらに、シミ除去、ブラシ、HDR 風などの 28 種類のツールと 11 種類の効果を実装しています。シミ除去機能は、小さな汚れや顔のシミ、ほくろなどを消去するだけでなく、背景に写り込んでしまった物の消去などにも使用できます。
HDR 風機能では、1 枚の写真の中に複数枚の画像を重ねる多重露出の効果を作り出すことで、幻想的な写真やストーリーを感じる写真に仕上げられます。写真を自分の思うように加工するための機能が満載なので、ワンランク上の写真に仕上げたい方に役立つアプリといえるでしょう。
他にも Google Play ストアにはさまざまな写真加工アプリがありますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
写真加工アプリを目的に沿って選んで効果的な活用を
写真加工アプリは多くの種類が世の中にリリースされています。豊富なスタンプや本格的な補正機能などを持つものがあり、アプリによってさまざまな加工ができます。フレームや文字などで写真を飾り付ければ、SNS での「映え」を狙えるかもしれません。また、色合いを手動で細かく調整すれば、理想の写真に近づけられるでしょう。写真加工アプリの特徴や機能を把握して、目的に応じたものを選ぶとよいでしょう。
Google Play ストアから写真加工アプリをインストールして、自分だけの作品作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種、アプリによって異なる場合があります。
※アプリによって、機能名が異なる場合があります。また、本記事で紹介した機能は、すべての写真加工アプリに搭載されているものではありません。
※本記事は、2023 年 11 月時点に Google Pixel 6 (Android 13)で検証しました。