YouTube のおすすめ動画システムとは
YouTube に表示されるおすすめ動画の概要と基準が変化してきた歴史について紹介します。
ユーザーの希望に沿ったコンテンツが表示されるおすすめ動画
おすすめ動画とはユーザーが興味を持つ対象に応じてコンテンツがおすすめされる機能です。
おすすめ動画が表示されるのは YouTube のホーム画面と「次の動画」パネルの 2 か所になります。動画の視聴中に「次の動画」が表示されるため、ユーザーは途切れることなく興味のある動画を続けて視聴できます。
YouTube には数十億本の動画がアップロードされており、ユーザーご自身で好みの動画を見つけることはなかなか困難です。そこで、おすすめ動画が広大な図書館で、最適な本を案内する司書のような役割を果たしているのです。
実際におすすめ動画として表示された動画を視聴しているユーザー数のほうが、検索などで視聴するよりもはるかに多いことがわかっています。
おすすめ動画システムはローンチされてから日々進化している
YouTube におすすめ動画システムが登場したのは 2008 年のことでした。当時はコンテンツ全体の人気に基づくランキングによっておすすめ動画を表示していました。
2011 年には不適切な動画や暴力的な動画を分類するシステムを構築して、それらの動画がおすすめに表示されないようになりました。
2012 年には総再生時間をおすすめ動画の指標として取り入れ、2016 年には視聴者の満足度を確認するため総再生時間の測定を開始しました。2017 年は保護されるべきコミュニティにとっておすすめ動画が公正に機能するために機械学習の評価をはじめました。
2021 年には 800 億件以上の情報から、個々のユーザーにあったおすすめ動画を提示できるように学習しています。
このように、YouTube のおすすめ動画システムは年々進化を続け、ユーザーが高い関心を持つ動画を視聴できるように取り組み続けているのです。
YouTube のおすすめ動画の仕組みをわかりやすく解説
YouTube のおすすめ動画に表示する動画を選択する指標として、以下の項目にもとづいてシステムがユーザーの満足度を測っています。
クリック数と総再生時間
動画のクリック数は、ユーザーの満足度に直結する指標ではありません。たとえば「スポーツの試合のハイライトを視聴したい」と考えているユーザーが、試合結果が記載されたサムネイルをクリックしたところ、選手同士の対談が映し出されるといった場合です。
こういうサムネイルと動画の内容が一致していないなどのケースでは、必ずしもクリック数が満足度に直結するとは限らないため、クリック数だけでなく総再生時間も考慮されるようになりました。
それは再生時間の長さで、ユーザーの満足度の高さをある程度確認できると考えられるためです。「見たい」と思っていた動画であれば視聴を継続し、「思っていた動画と違う」となると短時間で視聴をやめてしまう可能性が高いからです。
アンケートへの回答
視聴時間だけでは、ユーザーが動画を視聴している最中の行動まではわかりません。そこでユーザーに視聴した動画を 5 段階で評価してもらうためのアンケートが採用されました。
低評価の場合はその理由を質問し、高評価の場合は刺激が得られたか、有意義であったかなどという質問がされます。
そして星 4 と星 5 の動画のみが、有意義な視聴時間としてカウントされるのです。
共有や評価の状況
ユーザーが動画をシェアした場合や高評価をした場合は、ユーザーの満足度が高いと考えられます。この情報は次にユーザーが高評価を下したり共有したりする動画を予測して推奨するために活用されます。
動画の質の評価
音楽やエンターテイメントなどの動画については、これまで紹介した指標がユーザーの個々の好みに合うおすすめ動画の表示に役立ちました。しかしニュースや科学的な研究などの動画においては、情報の質を評価すべきだと考えられます。
非科学的な動画に高評価を下すユーザーもいますが、YouTube としては、質が低い動画をおすすめ動画に表示することは避けたいという方針です。
そこで信頼できるコンテンツかどうかをシステムによって分類したうえに、ガイドラインに沿ったトレーニングを受けた審査担当者が目視で確認しています。また専門的なコンテンツについては、医師などその分野の有資格者の意見を取り入れる取り組みも続けられています。
YouTube のおすすめ動画を表示しない方法
YouTube のおすすめ動画自体を一切表示しないようにすることはできません。しかし、興味がない動画などを非表示にすることはできます。
たとえば家族で同じデバイスを同一の ID で使用している場合、動画の再生履歴を削除することで自分以外の家族にあなたの動画の好みを知られる心配がなくなるでしょう。
ホーム画面のおすすめ動画を削除する方法
YouTube のホーム画面に表示されているおすすめ動画を削除する方法は以下のとおりです。
- 削除したいおすすめ動画のタイトルの横にあるその他アイコン(︙)をタップします
- [興味なし] をタップして、[理由を教えてください] を選択します
- 表示された理由のうち該当するものを選択します
以上の手続きでその動画はおすすめに表示されなくなり、さらにあなたにおすすめする動画の精度が向上します。
再生履歴の削除によっておすすめ動画をリセットする
おすすめ動画を他人に見られたくない場合や、動画の好みが変化してしまった場合は再生履歴の削除が役立ちます。再生履歴を削除すれば、あなたの再生履歴に基づくおすすめ動画は表示されなくなります。
- Google マイ アクティビティにアクセスして、[YouTube の履歴] をタップします
- [履歴を管理する] をタップします
- [削除] を選択します
おすすめ動画を活用して YouTube をさらに楽しもう
YouTube のおすすめ動画は、膨大な量の動画の中からユーザーごとに興味、関心がある動画を表示するサービスです。おすすめ動画で推奨するコンテンツはさまざまな指標を利用して選出されており、その精度は日々進化中です。
おすすめ動画を活用すれば、あなたの知らなかった興味や関心が広がったり、関心事項を深掘りしたりできるのではないでしょうか。YouTube をさらに楽しみたい方は、おすすめ動画を積極的に視聴してみましょう。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2022 年 10 月時点に Google Pixel 6 Pro(Android 13)で検証しました。
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