音声文字変換機能とは
Android の音声文字変換は会話や音声をスマホの画面上にテキストで表示する機能で、アメリカで最初の聴覚障がい者のための大学「ギャローデット大学」と Google によって共同開発されました。
ここでは、音声文字変換の機能や使い方などについて紹介します。
機能と利用シーン
音声文字変換を使うと、相手が話した内容がテキストとしてすぐにスマホに表示されます。同じ画面に返信を打ち込んでテキスト表示させることもできるので、スマホひとつで相手とのスムーズなコミュニケーションが可能になります。
また、本機能は文字変換の精度が高いことも特徴です。聞きとりにくい言葉があっても、会話の流れに応じて正しい意味になるよう字幕を自動で修正します。こうした機能によって、健聴者、聴覚障がい者、難聴者の間でのスムーズな意思疎通を促してくれます。
音声文字変換は 70 以上の言語に対応しており、その言語に応じて正確にテキストを表示します。たとえば、言語を英語に切り替えると、英語での会話内容が英文で表示されます。
使い方と手順
音声文字変換を利用するには、Google Play ストアで音声文字変換&音検知通知をインストールします。
Google Pixel(Google Pixel 3 以降)の場合は以下の手順でも利用が可能です。
- 設定アプリを開きます
- [ユーザー補助] をタップします
- [音声文字変換] をタップします
- [音声文字変換を開く] をタップすると、音声文字変換が開きます
ワンタッチでオン / オフを切り替えられるショートカット(画像左側のボタン)を常に表示したい場合は、[音声文字変換ショートカット](画像右側のボタン)をオンにします - アクセス権限を確認するポップアップが表示されるので、許可します
音声文字変換を開いた状態でスマホに向かって話しかけると、下の画像のようにリアルタイムで会話が画面に表示されます。
画面左下のキーボード アイコンをタップすると、返信画面が表示されます。
音声文字変換の内容は履歴が残るため、後から会話を確認することもできます。履歴の保存期間は、履歴の設定がオフになっている場合は 24 時間、オンになっている場合は最大 3 日間です。さらに長期間保存したい場合は、履歴の文章をコピーして、他のメモアプリなどに貼り付けて保存するとよいでしょう。
【履歴の設定・確認方法】
履歴の設定をオンにする手順は以下のとおりです。
- 音声文字変換を開きます
- 左下の設定アイコン(歯車マーク)をタップします
- 「音声文字変換の履歴」をオンにします
履歴を確認するには、画面を下にスクロールします。
ほかにも、文字サイズの調整やメイン言語とサブ言語の登録、笑い声などの音声ラベルの表示といった、さまざまな設定が可能です。詳しくはヘルプページの音声文字変換の設定を変更するをご覧ください。
使用上のポイント
通常、音声文字変換はインターネットに接続している状態で利用できます。
オフライン環境で音声文字変換を使いたい場合は、オフライン モードの設定をしましょう。オフラインモードは、6 GB 以上の RAM(作業用のメインメモリ)を搭載した Android スマホとすべての Pixel デバイスで利用できます。また、オフラインで使用する言語をダウンロードする必要があります。詳しくはヘルプページの音声文字変換をオフラインで使用するをご確認ください。
自動字幕起こし機能とは
Android の自動字幕起こしは、スマホ上のほぼ全ての音声に字幕を付けられる機能です。機能や使い方などを詳しくご紹介します。
機能と利用シーン
自動字幕起こしを使うと、動画や音声メッセージ、録音音声、ポッドキャストなど、スマホ上のほぼすべての音声を文字に起こすことができます。
音が聞こえにくい方はもちろん、周囲が騒がしくてコンテンツが聞き取りにくいときにも、本機能を活用すれば、文字起こしされた字幕が読めて内容を把握しやすいでしょう。Google Pixel では、通話の字幕を表示させることもできます。
使い方と手順
自動字幕起こしを利用できるバージョンは Android 10 以降、日本語に対応している機種は Google Pixel 6 以降です。自動字幕起こしをオンにする手順は以下のとおりです。
- 本体右側の音量ボタンを押します
- 音量コントロールの下にある自動字幕起こしアイコンをタップします
- 自動字幕起こしがオンになります
メディアを再生すると下の画像のように字幕ボックスが表示され、自動で文字起こしが始まります。字幕ボックスは上下にドラッグして、見やすい位置に移動させたり、ダブルタップで大きさを変えることができます。また、字幕が不要になった場合は、画面の一番下へ字幕ボックスをドラッグして、オフにすることができます。
音量ボタンで自動字幕起こしのアイコンが表示されなかった場合は、設定アプリから [自動字幕起こしを使用する] をオンにしましょう。設定アプリの [音とバイブレーション]、[自動字幕起こし] の順でタップします。同じ画面で、自動字幕起こしの設定を変更することもできます。変更できる設定は次のとおりです。
- 言語
- 自動字幕起こしのオン / オフ
- 不適切な表現の表示・非表示
- 笑い声や拍手といった音声ラベルの表示・非表示
- 音量調節を押した際の自動字幕起こしアイコンの表示・非表示
Google Pixel の場合は、通話時の設定も可能です。
- 通話の字幕起こしのオン / オフ
- 通話中の返答入力のオン / オフ
- 入力した返信の読み上げ音声の選択
また、Android 11 以降のスマートフォンでは、字幕の文字サイズや背景のスタイル、色を次の手順で変更できます。
- 設定アプリを開きます
- [ユーザー補助] をタップします
- [字幕の設定] をタップします
- [字幕のサイズとスタイル] をタップします。[文字サイズ] をタップすると文字サイズを、[字幕スタイル] をタップすると文字と背景の色を変更できます
使用上のポイント
通話中やメディアの再生時に自動字幕起こしをオンにするとバッテリー使用量が増えます。また、Android スマホの電池消費量を抑える機能であるバッテリー セーバーがオンの状態では、自動字幕起こしは自動的にオフになります。
自動字幕起こしは、モバイルデータやインターネット接続がなくても利用できます。すべての音声と字幕はデバイス上で処理され、Google に保存または送信されることはありません。
詳細は、ヘルプページのバッテリー使用量などに関する注意事項を参照してください。
音検知通知機能とは
Android の音検知通知とは、周囲の音をスマホが検知し、振動やライトでユーザーに伝える機能です。ここでは、音検知通知の機能や使い方などを詳しく紹介します。
機能と利用シーン
サイレンや警報など緊急時の音や、赤ちゃんや動物の鳴き声、ドアのインターホンの音など、聞き逃したくない音をスマホが知らせてくれます。音を聞き取ることが難しい方でも、家の中の状況を把握できるでしょう。
音検知通知の使用中の音声や周囲の会話は、すべてデバイス内で処理され、外部に送信されません。同意なしに Google に送信されることは一切ありませんので、安心してお使いいただけます。
使い方と手順
音検知通知を利用するには、Google Play ストアで音声文字変換&音検知通知をインストールします。インストール後の手順は以下のとおりです。
音声文字変換&音検知通知を開きます
左下の設定アイコン(歯車マーク)をタップします
[音検知通知を開く] をタップすると音検知通知機能が開きます
「音検知通知へようこそ」と表示された場合、右下の [ONにする] をタップします
音声の録音を許可します
通知を許可します
「ご利用の前に」の内容を読みます。音検知通知の動作を試したい場合は [デモを開始] をタップします。画面右下の [OK] をタップすると音検知通知機能が使えるようになります
Google Pixel の場合はプリインストールされているため、以下の手順で開くことができます。
設定アプリを開きます
[ユーザー補助] をタップします
[音検知通知] をタップします
[音検知通知を開く] をタップすると音検知通知機能が開きます
[音検知通知] の画面で [音声検知通知ショートカット] の右側のボタンをタップしてオンにすると、下の画像のようにショートカットが常に画面に表示されるようになります。
音検知通知を開くと、検知した音と時間を確認できます。右から左にスライドすると、検知した音がリアルタイムに確認できる「ライブビュー」、左から右にドラッグすると、過去に検知した音と時間を確認できる「履歴ビュー」になります。
音を検知すると「過去 12 時間に〇件の音が検出されました」と表示されます。検知した音で [再生] をタップすると、音が鳴った前後の音の再生が可能です。
検知対象の音はユーザーのライフスタイルに合わせて通知のオン / オフを選択できます。検知対象の音は次のとおりです。
【検知対象の音】
- 緊急
・煙
・火災警報
・サイレン - 優先
・赤ちゃんの声や音
・イヌの吠え声
・ドアホンのベル
・ノックの音 - 家電製品など
・家電の音
・固定電話の着信音
・流水
また、右上の設定ボタンから、バイブレーション、ライトの点滅、スマートウォッチなど、通知を受け取る方法を選択することができます。音によって、通知方法を変えることも可能ですので、自分にとってわかりやすい方法を選びましょう。
使用上のポイント
音を検知しやすくするため、テレビの音など検知したいもの以外の音量は下げましょう。音を検知したい部屋の中央にスマホを置き、周囲に障害になるものがないようにしてください。
また、音検知通知をオンにしておくと電池使用量が増える可能性があるため、スマホをこまめに充電しましょう。
音声増幅機能とは
Android の音声増幅は、マイクが拾った音やスマホのメディアの音からノイズを除去し、聞き取りやすいように音を増幅させる機能です。イヤホンやヘッドフォン使用時に利用できます。
ここでは、音声増幅の機能や使い方などを紹介します。
機能と利用シーン
音声増幅の「会話モード」は、騒々しい環境でも相手にカメラを向けることで相手の声を強調してくれるので、会話が聞き取りやすくなります。
また、周囲の人に配慮しながら、聞きたい音を大きくすることも可能です。たとえば、テレビのスピーカー近くにスマホを置いて Bluetooth イヤホンを使うと、テレビの音量を上げずに増幅された音声がご自身にのみ届きます。
音声増幅やノイズ除去はスライダーで簡単に操作できます。周りの状況やご自身の聞こえ方の状態に合わせて、簡単に調節が可能です。
使い方と手順
音声増幅を利用するには、まず Google Play ストアで音声増幅をインストールします。次に、有線または Bluetooth 接続のヘッドフォン(イヤホン)を用意しましょう。
Google Pixel 3 以降には音声増幅がプリインストールされており、次の手順で開くことができます。
設定アプリを開きます
[ユーザー補助] をタップします
[音声増幅] をタップします
[音声増幅を開く] をタップします
[音声増幅] の画面で [音声増幅ショートカット] の右側のボタンをオンにすると、ショートカットが常に画面に表示されます。
有線または Bluetooth 接続のヘッドフォン(イヤホン)を接続した状態で、会話で利用したい場合は [スマートフォン(またはヘッドフォン)のマイク] を、メディアで利用したい場合は [スマートフォンのメディア] をタップします。
左上の音符アイコンをタップすると、デモ音声が流れます。音の聞こえ方を調整するときに便利です。
音声増幅では、周囲の状況に応じて以下の設定を調整できます。
【スマートフォン(またはヘッドフォン)のマイク】
- ノイズ リダクション(不要な音を軽減する設定)
- 高い周波数または低い周波数を大きくする
- 小さい音の増幅
- 左右の耳を個別に調整(有線イヤホンの場合のみ)
【スマートフォンのメディア】
- 高い周波数または低い周波数を大きくする
- 小さい音の増幅
- 左右の耳を個別に調整
使用上のポイント
[会話モード] は Google Pixel 3 以降とその他一部のスマホ、[スマートフォンのメディア] は Android 10 以降の Google Pixel とその他一部のスマホで利用できます。マイク(スマホまたはヘッドフォン)での音声増幅とメディアの音声増幅は同時に利用できません。
また、一部の Bluetooth ヘッドフォンでは、音声の遅延や音質の低下が発生することがあります。別の Bluetooth ヘッドフォンを試すか、有線ヘッドフォンに切り替えてみてください。
Android スマホの音声機能を活用して生活をもっと便利に
Android スマホには、聴覚に障がいがある方や難聴の方をサポートする機能が備わっています。
本記事では、対面での会話をサポートする「音声文字変換」、メディアの音声を文字で確認できる「自動字幕起こし」、家の中の音を知らせる「音検知通知」、イヤホン装着時に周りの雑音を減らして音を聞こえやすく調節する「音声増幅」の 4 つの機能を紹介しました。
会話や仕事、娯楽など、コミュニケーションや日常生活のさまざまなシーンで活用し、Android スマホをより快適なライフスタイルに役立ててはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2023 年 8 月時点に Google Pixel 6(Android 13)で検証しました。
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