PIN とは
PIN とは「Personal Identification Number」の略称で、「個人識別番号」「個人認証番号」などと呼ばれており、キャッシュカードやクレジットカードの暗証番号などに使われるものです。スマホやパソコンなどのデバイスも、第三者が利用できないように画面ロックを設定し、解除する際に PIN を利用しています。
PIN とパスワードの違い
PIN と同じく、パスワードも自分だけが把握している情報を入力し、認証を行う際に利用されます。たとえば、Google アカウントや SNS などにログインするときは、ID(メールアドレスなど)に加えて、英数字や記号などを組み合わせたパスワードを入力して認証を行います。
両者は認証の際に利用するという点で共通していますが、情報の保存場所に違いがあります。パスワードは、基本的にサービス提供元のサーバーに保存されます。パスワードを認証する際は、入力内容がインターネットを介してサーバーに送信され、サーバー内に保存されたパスワードと一致しているかを確認します。そのため ID とパスワードを入力すれば、デバイスを問わずにログインすることが可能です。
一方、PIN はキャッシュカードやデバイスなどの本体に直接紐付いて保存されます。認証する際もデバイス内で処理されるため、ネットワーク上に流れる心配がありません。また、対象物と PIN の二要素認証になるので、仮にスマホの PIN が流出しても、スマホ本体とセットでない限り利用できないため、セキュリティが高いといえるでしょう。
Android スマホの画面ロックとその種類
Android スマホの画面ロックは、スマホの電源を入れたり、画面を復帰させたりするたびに解除が必要となるセキュリティ機能です。第三者がスマホを使用できないようにロックすることで、紛失時の不正使用などによる悪用防止に役立ちます。
ここでは、Android スマホで設定できる画面ロックの種類と解除方法を紹介します。いずれの方法も PIN と同様に、ロックの解除方法はスマホ内に保存されます。設定した内容のとおりに入力すれば、画面ロックが解除される仕組みです。
パターン
画面上の 9 つの点を、最低 4 個以上つなげて簡単なパターンを設定する画面ロック方法です。解除する際は、指で画面をなぞってパターンを描きます。パターンを複雑にすればするほどセキュリティは高まりますが、ご自身でも忘れてしまう可能性があります。
PIN
4 桁以上の数字を設定する画面ロック方法です。最大 16 桁の PIN の設定が可能です。桁数が多くなるほどセキュリティが強固になるため、6 桁以上の PIN を設定することが推奨されています。数字キーボードで PIN を入力するとロックが解除されます。
パスワード
4 文字以上の文字または数字を設定して画面をロックする方法です。英字、数字、記号を含め、最大 16 文字のパスワードを設定できます。英字、記号、数字を織り交ぜて、推測されにくい複雑なパスワードを設定しましょう。設定したパスワードを入力するとロックが解除されます。
なお、画面ロックのパスワードは、先に述べた SNS などのログインに利用するパスワードとは異なり、スマホ内に保存されます。
また、一部のスマホでは、上記のいずれかを設定したうえで指紋認証を追加して画面ロックを解除できます。
Android スマホの画面ロックの設定を変更する方法
前述した画面ロックの種類や解除方法は、設定アプリで自由に変更できます。手順は以下のとおりです。
- 設定アプリを開きます
- [セキュリティとプライバシー] をタップします
- [デバイスのロック解除] をタップします
- [画面ロック] をタップします
- すでにロックが設定されている場合は、以前の方法でロックを解除します
- [パターン]、[PIN]、[パスワード] の中から、設定したい画面ロック方法をタップします
- 解除方法を設定します(解除方法は必ず忘れないものにしましょう)
- 確認画面で、設定した解除方法を再度入力します
- 画面ロックを初めて設定した場合は、ロック時の通知方法を設定します
なお、画面ロックで [なし] や [スワイプ] を選択すると、画面ロックは適用されず、常に解除されている状態になります。スマホの画面ロックは、セキュリティ対策において重要な機能になりますので、[なし] や [スワイプ] を選ぶのは避け、必ず [パターン]、[PIN]、[パスワード] のいずれかを設定しましょう。
もしも PIN などの解除方法を忘れてしまった場合は?
PIN やパターンなどの画面ロックは設定したデバイスのみに有効で、解除方法はスマホ内に保存されるため、本人以外にはわからない情報です。
画面ロックの解除方法を忘れてしまった場合は、スマホをリセットしてデータを消去してから、再度スマホをセットアップする必要があります。
なお、スマホをリセットすると、アプリ、写真、音楽など、スマホに保存されているすべてのデータが消去されてしまうため、リセットする際は、事前準備を心がけましょう。
事前準備について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
Android デバイスのリセット方法と知っておきたい事前準備
Android スマホのデータや設定は、Google アカウントにバックアップが可能です。Google アカウントに保存したデータは後から復元できるので、必ずバックアップを行いましょう。日頃からバックアップをオンにしておくと安心です。
また、LINE のトーク履歴は Google ドライブにバックアップすることで、以前のスマホに保存された過去のトーク履歴を復元できます。日頃からバックアップをとっておくと安心でしょう。
LINE のデータ移行に関しては、「公式」AndroidからAndroidへのLINE引き継ぎガイドを参考にしてください。
以上の点を考慮したうえで、次に紹介するスマホのデータを消去する方法を試してみてください。
他のデバイスからスマホのデータを消去する
他のデバイスからスマホのデータを消去するには、スマホが以下の条件を満たしている必要があります。
- 電源がオンになっている
- モバイルデータまたは Wi-Fi に接続している
- Google アカウントにログインしている
- 「デバイスを探す」がオンになっている
- 位置情報がオンになっている
- Google Play での表示がオンになっている
これらの条件は設定アプリから確認できます。Google Play での表示は、以下の手順で確認できます。
- https://play.google.com/library/devices にアクセスします
- 「メニューに表示する」のチェックボックスがオンになっていることを確認します
なお、2 段階認証プロセスを使用している場合は、2 段階認証プロセスのバックアップに移動します。
データを消去してセットアップする手順は以下のとおりです。
- パソコンなどで android.com/find にアクセスして、Google アカウントにログインします
- 複数のデバイスを利用している場合は、画面上部でデータを消去するスマホを選択します
- [デバイスデータを消去]を選択します
- アカウントの本人確認画面が表示されるので、画面指示に従いパスワードを入力して、Google アカウントにログインします
- [デバイスデータを消去] を選択します
- 「<スマホ名> のデータを完全に消去しますか?」と確認のポップアップが表示されるので、[消去] を選択します
※データが消去されると、その Android スマホの「デバイスを探す」機能は使えなくなります - スマホのデータが消去されます
- スマホがリセットされた状態で再起動し、初期設定の画面が表示されます。画面の指示に従ってスマホをセットアップし、バックアップしたデータを復元します
ほとんどの Android スマホでは、設定アプリからスマホをリセットできます。画面ロックが解除できず設定アプリを開けない場合は、電源ボタンと音量ボタンを使用してスマホを出荷時の設定にリセットしてみてください。
デバイス固有の手順については、メーカーのサポートサイトをご覧ください。Google Pixel でボタンを使ってリセットする手順については、ヘルプセンターのスマートフォンのボタンを使用する(高度な方法)をご確認ください。
Android ユーザーが語る。Android をもっと便利に活用する方法 動画はこちら。
Android スマホの画面ロックの解除方法は忘れないようにしよう!
PIN はカードの IC チップやデバイスなどの本体と関連付いている個人識別番号です。Android スマホの画面ロックも PIN と同じ仕組みが用いられており、仮に第三者がスマホを使おうとしても、解除方法がわからなければ画面ロックを解除できません。スマホを安全に使うためにも画面ロックは必ず設定しましょう。
Android スマホの画面ロックには、PIN を含めて 3 種類の方法があり、設定アプリから自由に変更できます。
ただし、画面ロックを変更する際には、設定した解除方法(パターン、PIN、パスワード)が求められます。万が一、画面ロックの解除方法を忘れてしまった場合は、Android スマホのデータを消去して、初期化する必要があります。画面ロックの解除方法は忘れないように注意しましょう。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2024 年 1 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。
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