ふくそうは「通信の渋滞」
輻輳(以下、ふくそう)とは、物が 1 か所に混み合うことです。スマホでは、データ通信や電話回線へアクセスが集中した結果、通常どおりの処理ができなくなり、通信がつながりにくくなる状態のことをいいます。
ふくそうは例えるなら、道路の交通渋滞のようなものです。同じ時間帯、同じ場所に多くの車が向かうと、渋滞してほとんど進まないでしょう。
同様に、データ通信や電話回線も同じ時間帯に大量の通信が行われると、データをやりとりするための通路が混み合い、通信しにくくなってしまうのです。
そのため、ふくそうが起こると通信に時間がかかったり、インターネットや電話がつながらなかったりすることもあります。また、ふくそうが長時間続くと、通信障害を引き起こす場合もあります。
ふくそうが起こる状況
ふくそうが起こってインターネットや電話がつながりにくくなると、不安を覚える方もいるかもしれません。そのためにも、ふくそうが起こりやすい状況をあらかじめ理解し、備えることが大切でしょう。ここでは、ふくそうが起こりやすい状況について、身近な例を交えて紹介します。
特定のページや電話番号にアクセスが集中したとき
特定のウェブサイトへアクセスが殺到したときや、一つの電話番号へ着信が集中したときは、ふくそうが起こるかもしれません。
テレビで紹介されている飲食店のウェブサイトを見ようとしたときに、なかなかつながらないという経験をしたことはありませんか。これは、テレビを見た人が一斉に同じウェブサイトを見ようとしたためアクセスが集中し、ふくそうが起こってしまった例の一つです。
同様に電話でも、コンサートのチケット発売日に一つの電話番号にアクセスが集中して、つながりにくくなるというケースがあります。
人が密集しているとき
人が密集している場所でインターネットや電話の利用が急増すると、ふくそうが起こる場合があります。
たとえば、花火大会や大規模なコンサートなど、多くの人が集まるイベントで「待ち合わせをした友人と連絡がとりにくかった」「待ち時間に動画を見ようとしたら、読み込みに時間がかかった」という経験がある方もいるのではないでしょうか。
なお、事前に大規模なイベントがあるとわかっている場合には、携帯通信会社が移動基地局車を派遣するなどの電波を強化する対策を行うことがあります。
同時に接続する人が多いとき
接続場所に関わらず、同時に通信する人が多すぎる場合も、ふくそうが起こる可能性があります。同時接続の過多が原因でふくそうが起こった例として、「あけましておめでとうメール」を 1 月 1 日の午前 0 時に送信したのに、相手に届いたのは数分後だったなどがあります。
また、日常生活でも、昼休みや帰宅の時間帯などは同時にスマホを利用する人が増えるため、通信が遅いと感じることもあるようです。
災害が起こったとき
災害時に起こる通信設備などへの物理的なダメージが、ふくそうにつながる場合があります。安否確認のためにインターネットや通話を利用する人が急増し、ふくそう状態が発生するかもしれません。
また、災害時は警察や消防などの重要な通信を確保するために、通信規制がかかります。そのため、一般の通話やインターネット通信などでふくそうが起こりやすくなるかもしれません。
ふくそうが原因でつながりにくいときの対処法
ふくそうが原因でインターネットや電話がつながりにくいときは、適切な対処方法によって改善できる場合もあります。ここでは、ふくそうへの対処方法を 3 つの段階にわけて紹介します。
ふくそうの発生場所や時間帯を回避する
ふくそうは基本的に発生地域や時間帯が限定されるため、以下のような対応で状況を改善できる場合があります。
- 場所を移動する
- 時間が経ってからつなぎ直す
ふくそうの解消をスマホに反映する
場所を変えたり時間を空けたりしても状況が改善しないときは、ふくそう状態は収まったものの、スマホに反映されていない可能性があります。
その際は以下のように対処すると、改善されるかもしれません。
- 機内モードをオンにしてから、再度オフにする
- スマホを再起動する
通信障害が発生していないか確認する
ふくそうは通信障害を引き起こすこともあります。ふくそうの回避やスマホへの反映を試しても状況が変わらない場合は、通信障害が発生しているかもしれません。
契約中の携帯通信会社のホームページや SNS などから、通信障害の発生状況を確認してみるとよいでしょう。以下の記事では通信障害が考えられる際のチェックリストなどを紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。
ふくそうが起こっても落ち着いて対処しよう
ふくそうは、通信や電話回線が混み合ったときに起こります。ふくそうが起こると、インターネット接続や通話ができなかったり、不安定になったりします。
ふくそうが起こりやすい状況として、特定の行き先にアクセスが集中したとき、人が密集したとき、同時接続が多いときなどが挙げられます。
場所の移動や時間を空けることで、ふくそうを改善できる場合もあります。ふくそうが起こっても落ち着いて対処するために、対策を知っておくとよいでしょう。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事で紹介した内容は、執筆時(2023 年 4 月)のものです。
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