Quick Share とは
Android の共有機能「ニアバイシェア」の名称が「Quick Share(クイックシェア)」に変わりました。この変更はアップデートを通じて順次デバイスに反映されます。
Quick Share は、Android 6 以降を搭載したデバイスと Chromebook、専用アプリをインストールした一部の Windows パソコンとの間で写真や動画、ファイルなどを共有できる機能です。お互いの連絡先を知らなくても、デバイス同士が近くにあれば、すばやくファイルを共有できます。また、複数のデバイスにまとめて送信することも可能です。
Quick Share は OS に搭載されている機能のため、Android スマホで新たにアプリをインストールする必要もありません。
Quick Share で共有できるもの
Quick Share では、付近のデバイスとさまざまなデータを共有できます。たとえば、以下のようなものが挙げられます。
- 画像(写真など)
- 動画
- アプリ
- 音声データ
- フォルダ全体
- 選択したテキスト
- クリップボードのコンテンツ
- ウェブページの URL
Quick Share の使い方
Quick Share を使用すると数タップで簡単にファイルを送受信できます。ここからは、Google Pixel 8 を例に Quick Share の使い方を画像と共に説明します。
※Android 10 と One UI 2.1 以降を搭載した Galaxy デバイスでは、設定や機能が異なる場合があります。詳しくは Galaxy デバイスの Quick Share についての説明をご覧ください。
【共有範囲の設定方法】
はじめに Quick Share を行う相手に合わせて、送信者・受信者ともに共有範囲を設定しましょう。設定を変更する手順は以下のとおりです。
- 画面を上から下にスワイプしてクイック設定を呼び出します
- もう一度下にスワイプしてすべてのクイック設定を表示し、右へスクロールします
- Quick Share のタイルをタップします
- [共有を許可するユーザー] をタップします
- 共有する範囲を選択します
・自分のデバイス : 同じ Google アカウントにログインしているデバイス同士でデータを共有できます。受信側の画面がオフの場合でも利用できます
・連絡先 : デバイスの画面ロックが解除されている間、連絡先に登録されている Google アカウントを使用しているデバイスとデータ共有ができます
・全ユーザー : デバイスの画面ロックが解除されている間、近くにいる全員のデバイスとデータを共有できます。[10 分間のみ] のチェックボックスをオンにすると、10 分後に自動で元の設定に戻ります
- [完了] をタップします
Quick Share でデータを共有する方法
Quick Share は、共有アイコン のあるほとんどのアプリで使用できます。
本記事では、Google フォトや Files by Google などのアプリを例に Quick Share で写真やファイルを簡単に共有する方法を紹介します。なお、これ以外のアプリでも、共有アイコン をタップした後の操作は同様です。
【Google フォトからの共有方法】
Google フォト アプリで、Quick Share を使って写真や動画を共有する手順は以下のとおりです。
- 【送信側】Google フォト アプリ を開いて、共有したい写真または動画を選びます(複数のファイルを選択して送ることも可能です)
- 【送信側】左下の [共有] をタップします
- 【送信側】 [Quick Share] をタップします
- 【送信側】送信先の候補が表示されるので、ファイルを送りたいデバイスをタップします
【受信側】デバイスの画面ロックを解除しておきます(画面ロックがかかっていると相手のデバイスに付近のデバイスとして表示されません)
- 【受信側】Quick Share のポップアップが起動し、送信元のデバイス名と受信するファイルの種類が表示されるので、内容を確認して [承認する] をタップします
- 【送信側】送付先のデバイス名の下に「送信しました」と表示されたら送信完了です
【受信側】「受信しました」と表示されたら受信完了です
【Files by Google からの共有方法】
Files by Google ではアプリや音声、PDF など、さまざまな種類のファイルを共有できます。手順は以下のとおりです。
- Flies by Google アプリ を開きます
- カテゴリ名などをタップします。ファイルがリスト表示されます(ギャラリー表示になっている場合は、リスト表示アイコン をタップします)
- 共有したいファイル名の右にあるその他アイコン をタップします
- [共有] をタップします
- [Quick Share] を選択します
以降の操作は Google フォトの場合と同様です。なお、個別のファイル画面や複数のファイルを選択した後に、画面右上に表示される共有アイコン からも Quick Share を利用できます。
File by Google についての詳細はスマホのジャンク ファイルとは? Files by Google で削除して空き容量を増やそうをご覧ください。
【選択したテキストを共有する方法】
ウェブサイトやメールなどのテキストの一部を選択し、選択したテキストを Quick Share で共有できます。手順は以下のとおりです。
- 共有したいテキストを長押しして選択します
- [共有] または [Share] をタップします
- [Quick Share] をタップします
- 送信先のデバイスを選択します
- 【受信側】共有後に表示される [コピー] をタップすると、共有されたテキストがクリップボードにコピーされます
なお、受信した時点ではテキストは保存されていません。また、Chrome など一部のブラウザ アプリから共有されたテキストの場合は、[開く] をタップするとコピー元のウェブサイトを開くこともできます。
さらに、Android 13 以降を搭載する一部のデバイスでは、テキストをクリップボードにコピーしたあとに共有アイコンから近くのデバイスに共有することもできます。
【ウェブページの URL を共有する方法】
ブラウザアプリで閲覧したウェブページの URL を共有することも可能です。ここでは、Google Chrome アプリを例に手順を紹介します。
- Google Chrome アプリ で共有したいページを開きます
- 右上のその他アイコン をタップします
- メニューが表示されるので [共有] をタップします
- [Quick Share] をタップします
Android ユーザーが Android の魅力を語る。実際に Quick Share を使ってみた様子もこちらの動画から。
Quick Share がうまく使えないときの対処法
Quick Share でファイルが送れなかったり、相手のデバイスが「付近のデバイス」に表示されないときは、次の項目を確認してみましょう。
- 受信側の画面ロックが解除されているか
- お互いのデバイスで Bluetooth がオンになっているか
- お互いの [共有を許可するユーザー] の範囲が適切か
- 相手が他のデバイスと Quick Share を使用中ではないか
- お互いのデバイスで Wi-Fi がオンになっているか
- Android 12 以前のデバイスの場合:お互いの位置情報がオンになっているか
上記を確認してもうまくいかない場合は、次のことをお試しください。
- デバイス間の距離を 30 cm 以内に近づける
- 機内モードをオンにしてからオフにする
- スマホの電源をオフにして、またオンにする
Quick Share のよくある疑問を解決
ここからは、Quick Share を利用するうえでのよくある疑問点について解説します。
勝手に送られてくることはないの?
Quick Share で送信者が何か共有しようとするときは、受信者の承認が必要なため、ファイルが一方的に送られてくる心配はありません。身に覚えのないファイルの通知が届いた場合は、「承認しない」を選ぶとよいでしょう。
また、受信者への通知にはファイルの種類のみが表示され、承認するまではファイルの内容が表示されることはありません。
共有を許可するユーザーを [全員] に設定している場合は、連絡先を知らなくても付近のデバイスにご自身のデバイス名が表示されることがあります。
普段は共有の範囲を [自分のデバイス] または [連絡先] に設定しておき、連絡先を知らない相手とデータをやりとりする際に [全員] に変更するとよいでしょう。また、「10分間のみ」にチェックを入れておくと、10 分後に自動で元の設定へ戻るので便利です。
デバイス名を変更するには?
Quick Share で共有相手に表示される自分のデバイスの名前を変更することもできます。手順は以下のとおりです。
- 画面を上から下にスワイプしてクイック設定を呼び出します
- [Quick Share] を長押しします
- [デバイス名] をタップします
- デバイス名を変更します
- [保存] をタップします
近くのスマホやパソコンにデータを送るときは Quick Share が便利
Android の共有機能「ニアバイシェア」が「Quick Share(クイックシェア)」になりました。Quick Share を使えば、連絡先を知らない相手にも簡単にデータを共有できます。
写真や動画、PDF、選択したテキストなど、さまざまなデータの共有が可能なうえ、写真や動画の画質を落とすことなく、数秒で相手に送ることができます。
Quick Share は、共有アイコン があるほとんどのアプリで利用することができます。撮影した写真を近くにいる人にシェアしたいときや、PDF 書類をパソコンからスマホへすぐに送りたいときは、便利な Quick Share を使ってみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2024 年 6 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。