パスワード管理の重要性
インターネット上でサービスやコンテンツを利用する際、ID とパスワードの設定が必要になることも多いでしょう。たとえば、会員登録が必要なウェブサイトや SNS、EC サイト、ネットバンキングなどでは、ID とパスワードが最低限のセキュリティとして利用されています。
これらのサービスで利用するパスワードを設定するときは、第三者に推測されにくく、ツールなどで解析されづらいパスワードを作成する必要があります。パスワードが漏洩してしまうと、悪意ある第三者に不正にログインされ、なりすましや金銭的な被害にあう恐れがあります。
また、複数のサイトやサービスで同じパスワードを登録するのも危険です。覚えられないからといってパスワードを使い回すと、そのパスワードが漏洩したとき、同じパスワードを利用している他のサービスのセキュリティにも影響を与えてしまいます。
ユーザーは、それぞれのサービスに設定した複雑なパスワードを覚え、かつ第三者にそれが漏れないように気を配らなければなりません。しかし、登録するすべてのパスワードを異なるものにして記憶することはユーザーにとっても負担でしょう。そんなときに役立つのがパスワードの管理ツールです。
パスワード管理サービスやアプリを使ってみよう
紙やノートにパスワードを書いて保管するのは、紛失したり第三者に見られたりする可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。複雑なパスワードを安全に管理するためには、パスワード管理サービスやアプリが便利です。ここでは、パスワード管理サービスやアプリを使うメリットを紹介します。
※サービスやアプリによって、利用できる機能は異なります。パスワード管理サービスやアプリを使用する際は、開発者の信頼性やセキュリティ強度について確認しましょう。
パスワード管理がしやすくなる
多くのパスワード管理サービスやアプリには、利用するサイトやアプリごとに ID とパスワードを記録し、自動入力できる機能が備わっています。これらのツールは、多くの鍵が保管された金庫のような役割を果たします。ユーザーは金庫を開けるための鍵を 1 つ管理するだけで、複数の鍵を安全に保管することができます。
パスワード管理ツールが ID やパスワードを記録してログインの際に自動で入力してくれるため、ユーザーが覚えておく必要があるのは、そのツールにログインするためのパスワード(マスター パスワード)だけでよくなり、パスワード管理の負担が大幅に軽減されるでしょう。
また、パスワードのバックアップやデータの引き継ぎができるサービスやアプリもあり、たとえば機種変更をした際にも、 ID やパスワードを再登録する必要なく、新しいスマホで快適にウェブサービスを利用できます。
簡単にパスワードの作成ができる
パスワードの自動生成で、管理者の負担を軽減してくれるサービスやアプリもあります。
同じパスワードの使い回しを避けるためには、異なるパスワードを考える必要がありますが、この作業を負担に感じる方も多いでしょう。パスワードの自動生成機能を使えば、前に使ったパスワードを確認したり、複雑なパスワードをいくつも考えたりする負担が減らせます。
また、 ID とパスワードを自動入力してくれる機能をパスワードの自動生成とあわせて利用すると、複雑なパスワードを一つ一つ覚えておく必要がなくなるため、安全なパスワードを使いつつ簡単にログインできます。
パスワードを一元管理できる
複数のデバイスを使い分けている方にとって、それぞれのデバイスで別々にパスワードを管理しなければいけないのは不便でしょう。
スマホやタブレット、パソコンなどのさまざまなデバイスでパスワードを一元管理できるサービスやアプリを活用すれば、普段使っている複数のデバイスでスムーズにパスワードを共有して利用できます。
Android ユーザーが語る。Android をもっと便利に活用する方法 動画はこちら。
Google パスワード マネージャーとは
Google パスワード マネージャーは、Google が提供しているパスワード管理サービスです。Google は、自社が提供しているさまざまなプロダクトにおいて、世界最高水準のセキュリティでユーザーのプライバシーを保護しています。Google パスワード マネージャーは、開発者の信頼性やセキュリティ強度において、安心して使用できるサービスだといえます。
ここからは、Google パスワード マネージャーの特徴を紹介します。
パスワードの一元管理や自動入力ができる
Google パスワード マネージャーはスマホやパソコンなどのさまざまなデバイスで利用できます。マスター パスワードは Google アカウントの ID とパスワードになり、Google アカウントにログインした状態でパスワードの入力画面を開けば、保存したパスワードが自動で入力されるため、デバイスを問わず、1 つの Google アカウントで複数の ID やパスワードを一元管理できます。
また、Google パスワード マネージャーは、新しいパスワードを作成する際、強力な固有のパスワードを自動生成してくれます。自動生成したパスワードも自動入力されるので、安全かつ快適にウェブサービスやアプリにログインできます。
パスワードを安全に守ることができる
Google パスワード マネージャーで保存したパスワードは暗号化され、Google のビルトイン(標準搭載)セキュリティによって保護されるため、不正なアクセスをブロックするのに有効です。
Google アカウントに保存されたパスワードがインターネット上に公開されている(漏洩している可能性がある)場合は、「利用中のパスワードが安全ではない」旨が通知されます。
また、Google アカウントへログインする際の 2 段階認証プロセスを有効にすることで、パスワードのセキュリティをさらに強化できるでしょう。
Android で Google パスワード マネージャーを使う
Google パスワード マネージャーは Android スマホにも搭載されており、パスワードを自動入力できるように設定したり、強力なパスワードを作成したりできます。ここでは、Android アプリや Google Chrome で Google パスワード マネージャーを利用する手順を紹介します。
Android スマホで Google パスワード マネージャーを設定する
- 設定アプリを開きます
- [セキュリティとプライバシー] をタップします
- [その他のセキュリティとプライバシー] をタップします
- [Google の自動入力サービス] をタップします
- 「Google 自動入力を使用する」がオンになっていることを確認します
- 「Google アカウント」の下に、使用するアカウントが表示されていることを確認します
- 設定アプリの最初に戻り、[パスワードとアカウント] をタップします
- パスワード、パスキー、データのサービスの項目で Google が選択されているかを確認します(選択されていない場合は、サービス名をタップし、Google を選択します)
ID やパスワードを保存する
Google パスワード マネージャーは、Google Chrome でウェブサイトにログインする際やAndroid アプリでログイン情報を入力する際に使用できます。Google Chrome で使用する場合は、Google Chrome にログインしている Google アカウントにパスワードが保存されます。
【Google パスワード マネージャーで ID やパスワードを保存する方法】
- ウェブサイトやアプリのログイン画面を開きます
- メールアドレスや ID、パスワードを入力してログインします
- 画面上部に「パスワードを保存しますか?」と表示されたら保存先の Google アカウントを確認し、 [保存] をタップします
※ウェブサイトやアプリによっては、初回のログイン時などに二段階認証コードやワンタイム パスワードなどの一回限りしか使用できないパスワードの入力が必要になることがあります。そうしたパスワードは次回以降のログインでは使用できないため、Google パスワード マネージャーでは保存しないようにしましょう。
保存した ID やパスワードを自動入力する
Google パスワード マネージャーに保存した ID やパスワードは、次回以降ログイン時に自動で入力されます。Google Chrome の場合は、パスワードを保存した Google アカウントで Google Chrome にログインしていることを確認しましょう。
【Google パスワード マネージャーで ID やパスワードを自動入力する方法】
- ウェブサイトやアプリのログイン画面を開きます
- メールアドレスや ID、またはパスワード入力欄をタップします
- 「保存したパスワードを使用しますか?」と表示されたらログイン情報を確認し、[ログイン] をタップします
強力なパスワードを自動生成する
Google パスワード マネージャーでは、アカウントの作成時などに新しくパスワードを設定する際、強力な固有のパスワードを自動生成することもできます。
【Google パスワード マネージャーでパスワードを自動生成する方法】
- ウェブサイトやアプリのアカウント作成画面を開きます
- パスワード入力欄をタップします
- キーボードの上部に表示される [安全なパスワードを自動生成] をタップします
※このオプションが表示されない場合は、キーボード上部のパスワード アイコンをタップし、[安全なパスワードを自動生成] をタップします
- 自動生成されたパスワードを確認し、[パスワードを使用] をタップします
自動生成されたパスワードを使用すると、そのパスワードは Google パスワード マネージャーに保存され、以降は自動で入力されます。複雑な自動生成パスワードをご自身で覚える必要がないため、手軽に安全なパスワードを使用できるでしょう。
保存したパスワードを管理する
Google パスワード マネージャーで保存した ID やパスワードは、後から編集したり削除することもできます。パスワード管理の画面には Google Chrome アプリからアクセスするのが便利です。
【Google パスワード マネージャーで保存したパスワードを編集・削除する方法】
- Google Chrome アプリを開きます
- その他アイコン(︙)をタップします
- [設定] をタップします
- [パスワード マネージャー] をタップして Google パスワード マネージャーの管理画面を開きます
- ログイン情報を編集または削除したいウェブサイトの URL やアプリ名をタップします
- 本人確認のための「画面ロックの入力」画面が表示されたら画面ロックを解除します
- 編集または削除したいログイン情報を確認します
※パスワード欄の右のプレビュー アイコン(目のマーク)をタップすると保存されているパスワードを確認できます
- [編集] または [削除] をタップします
- ・ログイン情報を編集する場合: 編集したい項目を変更し、画面右上の [保存] をタップします
・ログイン情報を削除する場合: 「〇〇のパスワードを削除しますか?」というポップアップが表示されたら、[削除] をタップします
Google パスワード マネージャーを頻繁に使用する場合は、手順 5 の画面で設定アイコン(歯車マーク)をタップして、[ホーム画面にショートカットを追加] からホーム画面に Google パスワード マネージャーを追加しておくと便利です。
※一部のウェブサイトやアプリでは、Google パスワード マネージャーの自動入力に対応していない場合があります。
Google パスワード マネージャーを Android スマホで使うための詳細は、ヘルプセンターのパスワードを保存、管理、保護するもご確認ください。
スマホで Google パスワード マネージャーを使いこなそう
オンライン上のサービスやコンテンツを安心して利用するためには、パスワードを安全に管理することが重要です。パスワード管理ができるサービスやアプリはたくさん提供されていますので、安全で信頼でき、ご自身が使いやすいパスワード管理方法を選びましょう。
Google アカウントを持っている方は、保存したパスワードを自動入力してくれる Google パスワード マネージャーを活用してはいかがでしょうか。Google パスワード マネージャーは世界最高水準のセキュリティでプライバシーが保護されているため、安心してサービスを利用できます。また、パスワードの一元管理や自動生成といった機能も搭載されており、パスワード管理の負担も減らしてくれるでしょう。
本記事で紹介した内容をさまざまなデバイスにおけるパスワードの管理にぜひ役立ててみてください。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2024 年 2 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。
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