スマホで Wi-Fi の速度を測定してみよう
スマホを使っていてデータの読み込みが遅いと感じるときは、原因を特定して対処しなくてはなりません。まずはスマホで Wi-Fi 速度を測定してみましょう。
スマホでの測定方法
実際にスマホで Wi-Fi 速度を測定する手順を解説します。
- スマホで Google を開きます
- 検索欄に「インターネット速度」と入力して検索します
- 検索結果の最初に出てきた「インターネット速度テスト」ボックスの [速度テストを実行] ボタンを押します
以上が手順です。しばらく待つと、ダウンロードとアップロードの速度の算定結果が表示されます。
※測定においても、通常のインターネット接続などの利用と同様に、パケット通信が行われています。従量課金制の場合はご注意ください。
通信速度の単位を知ろう
Wi-Fi の速度がわかったら、通信速度の単位について理解しておきましょう。通信速度は「bps(ビーピーエス)」という単位で表します。「bps」は「bit per second」の略で、1 秒間にどれだけのデータを送れるかを意味しています。1 bps なら 1 秒に 1 bit の通信が可能ということになります。数が大きくなるほど通信速度は速いということです。実際の通信量を「bps」で表すと数の桁が大きすぎるので、下記のように 1,000 倍ごとに単位が変わります。
- 1 Kbps(キロ ビーピーエス)= 1,000 bps
- 1 Mbps(メガ ビーピーエス)= 1,000 Kbps
- 1 Gbps(ギガ ビーピーエス)= 1,000 Mbps
現在は光回線で最大速度として理論値の「1 Gbps」と表記されることが多いのですが、一般的に実測値では「Mbps」が多く使われています。計算上の数値であり、実際には回線が混んでいたり、Wi-Fi との通信距離が離れていたり、さまざまな要因で理論値を下回ることになります。実際の環境で計測して出た速度のことを実測値といいます。
通信の「上り」「下り」とは
通信には「上り」と「下り」があります。画像を SNS などにアップロードするなど、デバイスから外に出ていくものは「上り」通信、メールやメッセージの受信など、デバイスに入ってくるものは「下り」通信と呼ばれています。
たとえば、画像のアップロードが遅いときは「上り」通信、インターネット サイトの表示が遅いときは「下り」通信が影響していると考えられることが多いようです。実際には、アップロード時には「上り」通信だけでなく「下り」通信も発生しており、逆も同様であることを覚えておきましょう。
快適な通信速度とは
快適な通信をするには、どれくらいの速度が必要なのでしょうか。テキストの送受信だけなら 1 Mbps あれば十分ですが、動画の視聴や画像の読み込みには 10 Mbps 以上が必要です。高画質な動画を視聴する場合は 30 Mbps 以上の通信速度があればストレスを感じにくいといわれています。通信速度はファイルの受発信時間にも影響するため、たとえばオンライン ゲームのダウンロード時間や、制作したオンラインゲーム動画のアップロード時間に影響します。
なお、リアルタイム型の対戦ゲームなどではデバイスからサーバーへ接続してプレイしますが、この時に重要なのは「Ping 値(サーバーからの応答速度)」です。インターネットの通信速度を測定できるアプリのなかには Ping 値も測定できるものがありますので、必要であれば探して使ってみてください。
Wi-Fi が遅くなる原因と対処法
Wi-Fi 速度の測定の結果、通信速度が遅いとわかれば、その原因を特定して対処しましょう。ここでは Wi-Fi が遅くなる主な原因と対処法を解説します。
Wi-Fi ルーターの設置場所
Wi-Fi の電波は壁やドアなどの構造物によって遮られてしまうことがあります。特に金属やコンクリート、水槽の水などに弱いので、ルーターとスマホの間に設置しないようにしましょう。あるいは、スマホで Wi-Fi 接続をする位置が決まっている場合、その位置に合わせて、遮蔽物のない場所にルーターを置くのがよいでしょう。
ケーブルや、家の構造の問題でどうしても電波の届きにくい場所がある場合は、無線 LAN 中継器を使うという方法もあります。無線 LAN 中継器をルーターと電波の届きにくい場所の中間地点に設置することで電波が届きやすくなります。
電波干渉が起こっている
Wi-Fi では 2.4 GHz 帯 と 5 GHz 帯の 2 種類の周波数帯が利用できます。双方の主な違いは、通信規格や最大通信速度です。2.4 GHz 帯は周波数が低いため広範囲に電波が届きやすく、壁や床などの障害物に強いという特徴があります。しかし、コードレス電話機、ファクス、電子レンジ、Bluetooth 搭載端末など一部の家電も Wi-Fi の周波数帯と同じ 2.4 GHz 帯を使用しており、これが原因で電波干渉が起こり、通信が遅くなることがあります。それらの機器からルーターを離して設置すれば通信速度が改善される可能性があるでしょう。一方、5 GHz 帯は主に Wi-Fi (無線 LAN)でのみに使われる周波数帯であるため、家電からの電波に干渉することはなくなり通信速度が速くなります。
接続数が多い
ルーターには最大接続可能数が定められており、最大接続可能数を超えて端末を繋ぐと通信は不安定になります。一般的な家庭での利用において規格上の最大接続数の上限を超えることはほとんどないと思いますが、接続している端末の数が最大接続可能数を下回っていたとしても、複数の端末を接続すればルーターへの負荷は大きくなります。通信が遅いと感じたときは、使用していないスマホやテレビ、ゲーム機器、パソコンの接続を切ると改善する場合があります。
回線が混み合っている
夜はインターネットに接続している人が多いので回線が混雑しやすくなり、通信速度の低下に影響します。もしも毎日同じ時間帯に通信が遅くなる傾向があれば、その時間帯に通信量を多く使うような作業を避けるとよいでしょう。
スマホ側で改善できること
スマホの OS が最新バージョンでないと、通信速度に影響がある場合があります。OS は常に最新になるように確認しておきましょう。他の機器は Wi-Fi につながるのに、自分のスマホだけがつながりにくい、または通信が遅いときはスマホを再起動すると改善することがあります。
それでも遅いときは
今までの対処法を試しても通信速度が改善されない場合、以下の方法で解決する可能性があります。
Wi-Fi ルーターを再起動してみる
ルーターを長時間起動したままにしていることが、通信速度の低下に影響している可能性もあります。その場合はルーターを再起動しましょう。電源ボタンの長押し、コンセントを抜くなどが一般的な方法です。
ルーターかスマホを新しいものに替えてみる
Wi-Fi には最大通信速度などが異なる、さまざまな規格があります。もしも、スマホとルーターの規格が異なる場合、最大通信速度が遅いほうの規格に合わせた通信となります。新しいものと古いものでは規格が異なることが多いため、スマホやルーターを買い替えると速度が速くなる可能性が高いでしょう。
Wi-Fi の速度を見直して快適なネットライフを手に入れよう
現在、ビジネスや日常生活の行動のほとんどはインターネットにひもづけられているので、通信速度の低下は生活に大きく影響します。Wi-Fi を利用していて速度が遅いと感じた場合は測定してみましょう。速度低下の原因には、ルーターの設置場所が関係していたり、電波干渉が起こっていたりする可能性もあります。Wi-Fi の速度が遅くなったときは早急に原因を特定して、快適な時間を過ごせるように対処しましょう。
※この記事で紹介した内容は、一部ご利用になれないデバイスなどもあります。本製品またはその一部の機能などを利用できるかどうかは OEM およびデバイス メーカーによって異なります。
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